アサヒ飲料、AIが品質検査 22年に工場導入

アサヒ飲料は23日、出荷前の飲料の品質検査にAIを活用したシステムを開発したと発表した。カビなどの混入物の有無をAIが自動で判別する。従来の方法と比べて作業時間を年間180時間短縮でき、導入コストも7割抑えられる。2022年に自社工場に導入し、同業他社へのシステム販売も視野に入れる。
開発した「FLOX-AI(フロックスアイ)」は飲料の中に微生物がいるかをソフトが自動で判別するシステムで、製品の出荷合否が10秒程度でわかる。アサヒ飲料は微生物を試薬で光らせる「蛍光染色法」に着目。画像360枚に写る3000個の微生物をAIに読み込ませ、違いを判別できるようにした。
これまでは目視で微生物の有無を判別していたが、害のない乳酸菌や酵母も光ってしまい区別が難しかった。まず同社主力のカルピスなどの乳性飲料、ウェルチなどの果汁飲料を対象に品質検査に導入する。水や緑茶飲料などにも拡大したい考えだ。
従来の検査法はほかに、安価だが判定に3日以上かかる通常培養法や、1日で済むが導入コストが高価な迅速検査法があった。フロックスアイは装置の立ち上げ時間や洗浄時間を短縮でき、迅速検査法から年間180時間短縮できる。導入コストを7割、維持コストを年間8割安くできるという。
関連企業・業界
業界: