NTTや東大、30年に新型量子コンピューター 光技術開発
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NTTと東京大学などは22日、光を用いた大規模な量子コンピューターの実現に不可欠な基幹技術を開発したと発表した。次世代コンピューターの本命である量子コンピューターの機能を飛躍的に高める成果という。2022年度から実機の組み立てに着手し、30年に完成をめざす。
量子コンピューターは従来のコンピューターには難しい高度な計算を可能にする次世代技術だ。19年に米グーグルが最先端のスパコンで1万年かかる問題を約3分で解き「量子超越」と呼ぶ成果をあげた。まだ研究途上だが問題によっては1億倍超の高速化が見込め、素材や薬の開発、人工知能(AI)の利用に革新をもたらす可能性を秘める。米国のグーグルやIBM、中国の大学などが開発にしのぎを削る。
NTTや東大が開発した「光量子コンピューター」は量子力学という物理学の理論に基づく光の性質を応用する。NTTと東大、理化学研究所は計算の鍵を握る「スクイーズド光」と呼ぶ特殊な光を高速で安定してつくり出す装置を開発した。「スクイーズド光」と呼ぶ特殊な光を効率よく、安定して発する装置。光ファイバーに送り込み、計算を実行する。
政府はNTTや東大の取り組みを「日本発」の技術として後押しし、22年度から理研で光ファイバーも含めた実機の製作に着手。30年の完成をめざす。

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