眼圧検知コンタクトレンズ、薬も放出 中国研究チーム
中国・中山大学(広東省)などの研究チームは、眼圧の上昇を自動で検知し、眼圧を下げる薬を放出するコンタクトレンズを開発したと発表した。ブタやウサギの動物実験で機能を確かめた。眼圧の上昇は目の神経が傷んで徐々に視野が欠けていく緑内障の主な原因だ。人での検証はこれからだが、研究チームはこのコンタクトレンズが緑内障や他の目の病気の治療に役立つ可能性があるとみている。

研究成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。開発したコンタクトレンズは2枚のレンズが組み合わさった構造だ。眼圧が高くなると2枚のレンズの隙間が小さくなり、これを内蔵センサーが検知する。センサーが送る信号によって、内側のレンズに組み込まれたハイドロゲルから眼圧を下げる薬を放出する。眼圧センサーは中心に穴が開いた雪の結晶のような形をしており、視界の妨げにはならないという。
緑内障は中途失明の原因として日本で第1位、世界でも第2位の病気だ。発症の主な原因は眼圧の上昇だが、眼圧は時間帯や日によって変動しやすい。今回開発したような眼圧の上昇に合わせて薬を自動的に投与できるコンタクトレンズは、緑内障などの効果的な治療手段になる可能性があるという。