2月の工作機械受注、北米向け8.3%減 利上げで様子見
日本工作機械工業会(日工会)が22日発表した2月の工作機械受注額(確報値)は北米向けが前年同月比8.3%減の232億円だった。マイナスは2カ月連続で、2021年5月以来、1年9カ月ぶりの低水準となった。利上げによる金利上昇を受けて中小企業を中心に設備投資に対する慎重姿勢が強まっている。
工作機械受注額全体は10.7%減の1241億円だった。内需は20.3%減の389億円、外需は5.5%減の851億円となった。このうち欧州は5.9%減の194億円。金融引き締めやインフレが逆風となり、イタリアやフランスなどで需要が減速している。
日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は足元の欧米の金融システムを巡る不安について「現時点では影響は確認されていない」としながら「工作機械業界に与える影響が顕在化するにはもう少し時間がかかる。今後の金融市場や実体経済への影響を慎重に見極めたい」と説明した。
一方、中国向けは1.8%減の294億円だった。前月比では2割増となり、新型コロナウイルスの感染拡大や春節(旧正月)に伴う落ち込みから一定の回復をみせた。稲葉会長は「パソコン関連などの需要は落ち着いており、従来のような活気はまだ見えていない」とし、4月中旬に現地で開催される大型展示会などで市場環境を確認する意向を示した。