/

キヤノン、複合現実の視野角拡大 手元見やすく

日経クロステック

キヤノンは21日、現実の風景に3次元CG(コンピューターグラフィックス)による映像をリアルタイムで重ねる複合現実(MR)システム「MREAL(エムリアル)」向けに、視野角を広くしたヘッドマウントディスプレー(HMD)「MREAL X1」を6月上旬に発売すると発表した。

MREALのHMDはビデオシースルー方式で、ユーザーの眼の前方にディスプレーがあり、さらにその前にビデオカメラが付く。2021年2月に発売した「MREAL S1」の視野角が横約45度、縦約34度だったのに対し、MREAL X1では横約58度、縦約60度に拡大。一方で質量は約338グラムから約359グラムへと、約20グラムの増加にとどめた。

特に上下方向の視野角を広げて縦長画像にしたのが特徴。MREALのユーザーに多い製造業での生産準備段階での作業検証用途では、首を振らなくても設備と手元が見えやすくなったとしている。より自然な見え方になるよう、ディスプレーとカメラのレンズ系を薄くして、ビデオカメラをユーザーの眼の位置に引き付けた。

MREALのシステム価格はオープンだが、最小構成(HMD、パソコン、基本ソフト、表示アプリケーション)で約350万円からとみられる。MREAL X1本体は200万円強になる見込み。

システムとして供給を開始した12年当時は、HMDの位置決めのためユーザーが入る空間の周囲に光学センサーを数多く設置する必要があったため、導入には1000万円程度必要だった。その後の改善で、HMDで見ている画像を基に自らの位置を推定する「SLAM(スラム)」技術を導入し、周囲の光学センサーが無くても一定の精度で位置決めが可能になり、導入費用を引き下げるとともにさまざまな場所で利用可能にした。

既存のユーザーは大手製造業が中心で、用途は機器や生産設備を造る前の操作性・作業性の確認、操作や作業のトレーニングなどが中心。現実の物体を高速にボクセルとしてデータ化するボリュメトリックソフト技術と組み合わせて、動きの多いコンテンツによるエンターテインメント用途や、医療分野での治療法の事前検討などの用途にも売り込んでいく考え。今後、25年までに年間1000台以上の販売を目指す。

(日経クロステック/日経ものづくり 木崎健太郎)

[日経クロステック 2022年4月21日掲載]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン