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ニトリHDの3~11月、純利益1%減 巣ごもり反動響く

ニトリホールディングス(HD)が24日発表した2021年3~11月期の連結決算は、純利益が前年同期比1%減の757億円だった。新型コロナウイルス禍の巣ごもり消費で家具や雑貨の販売を伸ばした前年の反動がでた。既存店売上高は減少が続いており、コロナ前の19年と比べてもマイナスだった。コロナ特需を取り込み成長したニトリの勢いは減速している。

売上高は12%増の6061億円。1月に子会社化したホームセンター大手の島忠の業績が上乗せされたことも寄与した。営業利益は9%減の1079億円だった。物流の効率化を進め、商品の配送費用などのコスト削減を図ったが補えなかった。

巣ごもり消費には一服感が出ており、ニトリ事業の既存店売上高は減速している。3~11月の既存店売上高は前年同期比11%減った。足元の11月は既存店が6.7%減、客数も9%減とそれぞれ7カ月連続で前年を下回った。

20年は政府による一律10万円の特別定額給付金が支給された。ニトリHDはソファなどの家具や在宅勤務向け商品の需要を取り込み収益を大きく伸ばしたが、反動が想定以上に大きかった。

為替相場が円安に進んだことで商品の輸入コストが膨らんだ影響も大きかった。ニトリHDは商品の9割を中国やベトナムなど海外で生産し、ドル建てで決済している。同社によると対ドルで1円円安に振れると年間約20億円の減益要因となる。

JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは「緊急事態宣言が解除された10月以降も個人消費の回復は鈍い。規制緩和後は旅行や外食などサービス関連に支出が回っており家具などの耐久財は厳しい」と指摘する。

同日都内で開いた決算説明会で白井俊之社長は「巣ごもり特需や特別定額給付金の支給があった前年のハードルは高い」と説明した。その上で「物流費や人件費などのコスト削減を来年以降も継続し、改善を進めていく」と強調した。

既存店売上高、コロナ前の19年比でも減少

既存店売上高がコロナ前の19年3~11月と比較しても1.2%減だった点は懸念材料だ。19年を除く過去5年間を見ても年間の既存店売上高は100%を超えている。

ニトリHDは製造、物流、小売りを一貫して自社で手掛け、他社より低コストで高品質な商品作りを進めてきた。取扱商品に占めるプライベートブランド(PB)比率は9割を超える。今期もベビー用品の商品拡大や、家族層向けに洗濯機などの家電を開発するなど需要の変化に対応してきた。

商品力を強化しているが、消費者の節約志向や、コロナ感染への懸念から外出を控える動きが根強い。19年と比較しても客数の戻りは鈍い。

既存店の競争力の引き上げに向け、島忠との統合効果も焦点となる。ニトリHDは島忠と共同で日用品やペット用品などのPBを開発する予定。こうした新たな商材を機動的にニトリの既存店に導入できれば、品ぞろえの底上げにつながる。

22年2月期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比22%増の8736億円、営業利益は5%増の1439億円と35期連続の増収増益を見込む。島忠とPB商品を共同開発して利益率改善につなげるほか、物流面では荷物の輸送を自前化するなどしてコストを減らす。

似鳥昭雄会長は「足元までは厳しい状況が続いたが、気温も下がってきており、季節商品の販売増も見込める。一層のコスト削減を全力で取り組む」と強調し、通期の業績予想は達成可能との見通しを示した。

22年の為替の動きについては「22年3~4月くらいから円高に傾き、1ドル=110円を切る可能性はある。その後夏から年末にかけては円安が続くだろう」と述べた。

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