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ルネサス、工場強じん化急ぐ 専門組織設置や装置改修

ルネサスエレクトロニクスが生産体制の強じん化を急いでいる。21日、2021年3月に主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生してから初めて、工場内部の様子が報道陣に直接公開された。工場内消防設備の増設や、専門組織の設置、生産管理のシステム刷新などに着手している。

「顧客、サプライヤー、社員の努力で生産再開にこぎ着けた」。柴田英利社長はこう振り返る。製造装置への過電流によって発生したとされる火災から1年もたたない今年3月にも福島沖地震の被害を受けたルネサス那珂工場。半導体の需給逼迫から、火災前の生産を上回るフル稼働の状況が続く中で「地震、火災、停電などの対策だけでなく、より強じんなサプライチェーン(供給網)を実現する」(柴田社長)ことが課題となっていた。

設備面では防火、消防設備などの備えに加えて、装置には熱感知器の活用を始めた。配電盤や床下設備なども含め高温になり得る場所を検査しており、海外拠点の製造ラインでは異常な熱を帯びた工程も発見されたという。

半導体工場は停電も致命的だ。製造工程を清浄に保つクリーンルームが止まれば、加工中の製品が使えなくなる。ルネサスは装置間を結ぶ搬送容器を改装。製造装置にウエハー(基板)を1枚送り込むたびに扉を開閉させ、クリーンルームが止まっても容器内の基板は被害を免れるようにした。3月の福島沖地震では基板数百枚単位の被害を防いだ。

ソフト面の対応も進めている。各工場の生産体制の強化に取り組む専任チーム「5Sパフォーマンス改善室」を設置。社外人材も採用し、22年末までに各工場の監査や評価などを進め、状況を点数化する。材料需給も逼迫する中で、調達や生産を管理するシステム刷新にも着手し、24年には完成する見通しという。

製造業にとって有事も供給を絶やさない生産体制は重要になっている。日本政策投資銀行の調査では、日本の製造業企業による設備投資の用途は21年計画ベースで「維持・補修」向けが29%と最大。「能力増強」(26%)を上回るようになった。工場や装置も「高齢化」が進む中、人材やシステムなどソフト面の対応も求められている。

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