気化熱利用し発電 東海大、IoT向け装置を開発

東海大学の高尻雅之教授らは水に浮かべて発電する装置を開発した。水が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を使う。水質を管理するセンサーなどあらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器向けに活用する。
電池などに頼らず発電するには温度差による熱エネルギーを利用する方法があるが、柔軟性や厚みが課題で、温度差を生み出す熱源も必要だ。
研究グループは筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」の膜を装置に使った。膜を乗せる板に穴を開け膜が水に触れる部分と触れない部分を作った。水に触れる部分は膜中の小さな隙間から水が通り、気化熱で温度が下がる。水の通らない部分と温度差ができることで薄い膜でも装置内に温度差が生まれた。水温、風や光など複数の一定条件下でも安定した電圧が得られた。