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海運3社が大幅上方修正 今期純利益コンテナ船好調

海運大手3社は21日、2023年3月期の連結業績予想をそろって大幅上方修正した。純利益の上振れ額は計6700億円にのぼり、最高となった前期並みとなる。コンテナ船市況や荷動きが期初想定を上回って推移している。また、国際海運業界はドル収入が基本で、円安・ドル高の進行も利益を押し上げる。

日本郵船が発表した純利益予想は前期比5%減の9600億円と、期初時点から2400億円上振れする。高水準のコンテナ船市況が今後も続けば、純利益1兆円の2期連続達成も視野に入る。

商船三井は前期比1%減の7000億円、川崎汽船は同7%増の6900億円を見込む。3社の純利益合計は前期比0.4%減の2兆3500億円とほぼ横ばいで、期初予想の1兆6800億円を6700億円上回る。

前期に引き続き、けん引役は3社が共同出資するコンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」だ。期初時点では中国・上海の都市封鎖(ロックダウン)の長期化や世界的なインフレ進行を背景に、荷動きの減少やスポット運賃の下落を見込んでいた。

だが、足元でも貨物の輸送需要は依然として旺盛だ。米調査会社デカルト・データマインによると、6月のアジア発米国向けコンテナ輸送量は前年同月比4%増となり、6月単月として最高となった。国内海運大手の幹部は「輸送需要が急激に悪化するとはみていない」と話す。

サプライチェーン(供給網)の混乱が長期化し、運賃は高値水準が続いている。上海航運交易所によると、7月中旬の上海発米西海岸向けのスポット運賃は40フィートコンテナ1個6883ドル。4月上旬からは13%安だが、前年同期比では29%高い。

前期と比べて、年単位の長期契約運賃が大幅に引き上げられたことも業績を下支えする。21年度のONEの長期契約比率は北米航路でおよそ6割、欧州航路で5割程度とされる。

円安・ドル高も追い風だ。日本郵船は期初時点で今期の想定為替レートを1ドル=120円と設定。感応度は対ドルで1円の円安で、年間約60億円の増益要因になるとしていた。今回、想定為替レートを1ドル=127.62円に引き上げたことで400億円強の利益増の要因となる。商船三井も1ドル=120円から同125円に見直した。

下期以降は金利上昇やインフレ進行に伴う景気減速といった不透明感が強い。ただ、依然として3社は下期の業績を慎重に見ており、サプライチェーンの混乱解消が想定よりも長引けば、最高だった前期水準を上回る可能性がある。

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