CVCのスタートアップ投資額が小粒化 2022年は4割減

事業会社が設立したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)によるスタートアップ投資が小粒になっている。2022年の世界の投資件数は前年並みだったが、投資額は前年比43%減となった。1回当たりの投資額が小さくなっており、事業会社は自社の技術革新を狙って新興企業への投資は続けているものの、多額の資金投入には慎重になっている。
日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週2回掲載しています。
22年の世界のCVCによるスタートアップへの投資額は989億ドル(約13兆円)と、過去2番目に多かった。もっとも、過去最高を記録した前年の1738億ドルからは減少した。CVCが出資額を抑えたため、22年の四半期ベースの投資額は減少し続け、10〜12月期は143億ドルと11四半期ぶりの低水準にとどまった。
一方、22年のCVCによるスタートアップの資金調達ラウンドへの参加件数は前年比ほぼ横ばいだった。1〜3月期に1494件と四半期の件数として過去最多になったことが寄与した。

22年のCVCによるスタートアップ投資のそのほかのポイントは以下の通りだ。
・投資家が小規模案件に注目したため、CVCによる投資件数全体に占めるアーリー(初期)ステージ投資の割合は7ポイント増の62%と5年ぶりの大きさになった。
・CVCが参加した「メガラウンド(1回の調達額が1億ドルを超えたラウンド)」の資金調達額は433億ドルと、前年の1087億ドルから大幅に減少した。これは22年のCVCによるスタートアップ投資の減少額の87%を占めた。

・米国でのCVCによる投資額は513億ドルで、前年の943億ドルから46%減った。それでもなお、米国でのCVCによる投資額は世界で最も多かった。
・欧州でのCVCの資金調達ラウンドへの参加件数は903件と、5年ぶりの多さだった。
・CVCが参加したフィンテック企業による調達ラウンドの件数は2%減と、分析対象となった全ての部門で最も落ち込みが小さかった。
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