日本通運、貨物船で化学品など危険物輸送 北海道発着
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NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は21日、傘下の日本通運が高圧ガスなどの危険物を、貨物船と鉄道を組み合わせて運ぶサービスを始めると発表した。対象は北海道発着の危険物で22日から提供する。危険物の通過が制限される青函トンネルを貨物船で迂回し、港からは鉄道で各地に運ぶことで安定的な輸送を可能にする。
高圧ガスやガソリン・灯油などの引火性液体類といった危険物の多くは制限で青函トンネルを通過できない。そのため化学品メーカーなどの荷主はこれまで青函トンネルを迂回するため、フェリーとその先のトラック輸送などの手配をそれぞれ行う手間がかかっていた。
日本通運の新たなサービスでは北海道の釧路、苫小牧と東京間を貨物船で運び、港と各地までの輸送を鉄道で行う。集荷から配送まで一貫して行い荷主の利便性を高める。貨物輸送に特化した船を使うことで旅客輸送も行うフェリーより多くのスペースを確保でき、安定した輸送を可能にする。

日本通運が開発した、鉄道と貨物船の両方に対応したコンテナを利用する。荷物を積み替える必要がなく、スムーズな複合輸送が可能となる。駅から離れた場所の集配についてはトラック輸送で対応する。
日本通運では輸送手段をトラックから鉄道や海運に代えるモーダルシフトを進めている。二酸化炭素(CO2)排出量の削減と同時に、人手不足が深刻化している長距離トラック輸送のドライバーの負担を減らす狙いもある。日本通運の幹線輸送の貨物総輸送量では鉄道・海運の利用比率は増加しており、現在は40%超となっている。
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