中外製薬純利益33%増 1~9月、血友病薬が好調 - 日本経済新聞
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中外製薬純利益33%増 1~9月、血友病薬が好調

中外製薬が24日発表した2022年1~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比33%増の2719億円と同期間で過去最高だった。主力の血友病治療薬が好調で、海外の販売を担う親会社スイス・ロシュへの輸出が伸びた。ロシュから受け取るロイヤルティーの大幅な減収を海外売上高の増加で補った。一方、急激な円安進行は10~12月期に輸入する新型コロナウイルス治療薬の原価を圧迫する見通しだ。

売上高にあたる売上収益は21%増の8214億円だった。ロシュへの輸出が中心の海外売上高は46%増の2571億円だった。主力製品の血友病薬「ヘムライブラ」は国内外でシェアを伸ばし、製品売上高は海外が2.2倍の1350億円、国内が20%増の352億円に伸びた。

新型コロナ重症肺炎患者の治療に転用する関節リウマチ薬「アクテムラ」といった自社開発品も収益に貢献した。ロシュから受け取るヘムライブラの初期出荷分のロイヤルティー収入が大幅に減ったが、製品売上高の成長でカバーした。

22年12月期通期の予想は従来見通しを据え置いたが、足元の円安はコスト上昇要因だ。ロシュからスイスフラン建てで仕入れる新型コロナの抗体カクテル療法「ロナプリーブ」の10~12月取引はヘッジ対象外で、円安が進むと仕入れ原価が悪化する。

海外取引はロシュとのスイスフラン建てが多く、前期に今期分の8割を平均1スイスフラン=122円で為替予約している。ただ、納入先の日本政府との契約が見通せなかったため10~12月期の同取引はヘッジ対象から外れた。

政府と22年度の供給契約を結んでいるロナプリーブの通期売上高は1990億円を計画し、1~3月期に608億円を計上している。10~12月期に残り約1380億円を計上するとみられる。板垣利明・取締役最高財務責任者(CFO)は「ここまでは良い円安だったが、12月期決算では一転して悪い円安になり、営業減益の要因になる」と危機感を示した。

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