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平均余命長い国、コロナ下の超過死亡率低く 慈恵医大

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東京慈恵会医科大学の浦島充佳教授らは、新型コロナウイルス感染症の流行前に60歳時点での平均余命が長かった国ほど、平年を上回る死亡者数の規模を示す「超過死亡率」が流行下において低かったとの研究を発表した。日本は平均余命が世界トップで、流行下の死者は平年よりも少なかった。研究チームは、医療の質の高さなど平時に高齢者の病死を防ぎやすい様々な要素が、流行に伴う被害の軽減につながった可能性があるとしている。

研究チームは世界保健機関(WHO)が算出した160カ国の2020~21年の超過死亡率と、「国民の平均余命」「21年末時点での新型コロナワクチンの2回接種率」「国民1人当たりの国内総生産(GDP)」などコロナ流行前の経済や健康についての50の指標との相関を調べた。各国を人口に占める60歳以上の割合によって4つのグループに分けて分析した。

日本が属する最も高齢者の割合が高いグループでは、超過死亡率と最も相関が強かった指標は「60歳の平均余命」だった。余命が長い国ほど死亡率が低い傾向にあった。日本の超過死亡率は人口10万人当たりマイナス8人で、平年よりも死亡者が少なかったと見積もられている。オーストラリアやニュージーランドなども超過死亡率がマイナスだった。「21年末時点での新型コロナワクチンの2回接種率」や「国民1人当たりのGDP」も相関が強かった。ただ多変量解析という手法で調べると60歳の平均余命が超過死亡率の違いに最も影響していた。

日本は高齢化率が高い一方、高齢者で死亡リスクの高い新型コロナが流行しても超過死亡率が低く抑えられており、一種のパラドックス(逆説)とされている。

浦島教授は「60歳の平均余命が長いことは、医療の質の高さや健康に対するリテラシーの高さ、ワクチン接種を促す仕組みの充実、国民が平等に医療にアクセスできることなど様々な要素で実現している」と指摘。「平時からこうした要素を高め、防げる病死を確実に防ぐことが、パンデミック(世界的大流行)への備えとして重要と考えられる」と話す。

成果は米医師会の医学誌JAMAの姉妹誌に掲載された。

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