ウェブサイトの困り事を予測、チャットで案内 カラクリ

顧客対応のチャットボットを提供するカラクリ(東京・中央)は、企業のサイトに訪れた人が困っていることを予測し、適切な案内を自動で表示するチャットボットサービスを始めた。過去に同類の行動をしていた人がチャットボットで質問した内容を基に、人工知能(AI)がサイトを見ている人の困り事を予測する。課題の解決策を積極的に示して、潜在的な顧客の獲得に貢献する。
新サービスは「KARAKURI hello(カラクリハロー)」として、既に提供しているチャットボット「KARAKURI chatbot(カラクリチャットボット)」とセットで販売する。月額50万円からとし、費用はアクセスしたユーザー数などで変化する。年内で20社以上の導入を目指す。
カラクリが展開するサービス「カラクリチャットボット」では、サイトを訪問した人がページ内のチャットから困り事を検索し、自動でAIが返答している。同社によると、コールセンターでの質問はログインの仕方など定型的なものが8割で、チャットボットを導入することでコールセンターの負担軽減につなげている。
今回、サイトを訪問した人がページを上下していたり特定のページを行き来したりしている場合に、過去に同じ行動をしていた人からの相談を基に現在の困り事をAIが予測する。例えば、商品の決済方法の画面に頻繁に来ている訪問客がいたら自動で「決済方法にお困りですか?」とチャットで表示する。
カラクリによると、ウェブツールの利用者に電子商取引(EC)サイトなどを使わなくなる原因を聞くと「ポップアップ広告・クーポンなどのお知らせが多くサイトが見づらい」とした人が21.9%いた。手続きや決済方法などの困り事に対して、広告ではなくチャットで積極的に案内をして商品の購入につなげる。