日本ペイントHD、仏塗料会社1500億円で買収 欧州拡充

日本ペイントホールディングス(HD)は20日、建築用塗料大手の仏クロモロジーホールディングを買収すると発表した。11億5200万ユーロ(約1500億円)を投じて同社の株式全てを2022年上期中に取得する。イタリアやスペインにも強いクロモロジー社を傘下に収め、中国に次ぐ市場規模を持ちながら手薄だった欧州での事業基盤を拡充する。

買収資金は金融機関からの借り入れでまかない、新株発行による資金調達の予定はないとしている。クロモロジー社は06年に発足し、20年12月期の売上高は6億2800万ユーロだった。建築用では欧州4位で、フランスやイタリア、スペイン、ポルトガルではいずれも上位3位に入っている。フランスとポルトガル、スイスでは386の直営店を構える。
「優れたブランドを持ち、買収初年度から利益貢献を期待できる」。日本ペイントHDの若月雄一郎共同社長は同日開いたオンライン会見で買収の意義を説明した。
同社は建築向けが主力で、売上高全体の56%を占める。地域別では中国を含むアジアやオセアニアが中心で、中国のDIY向けシェアは33%と首位だ。中国ではこれ以上のシェア拡大は簡単ではなく、日本市場も低迷するなかで最近はほかの地域でのM&A(合併・買収)を重ねていた。
17年には米建築用塗料大手のダン・エドワーズを約700億円で買収し、同国の建築向け市場に参入。19年にはトルコのベテックボイヤを約280億円で、豪州のデュラックスグループも約3000億円で買収した。
日本ペイントHDがM&Aを続けるのは建築向け塗料特有の事情もある。海外ではブランド別に顧客がついていることが多く、新規開拓は簡単ではない。そのため買収などで商圏を広げるのが事業成長の近道となる。今回も欧州で顧客網を持つクロモロジーを子会社化し、現地での事業強化を急ぐ。
規模をいかした原料の一括購入による効果も大きく、海外競合もM&Aに活発に動いている。米シャーウィン・ウィリアムズは17年に米同業のバルスパーを買収。米PPGインダストリーズも同年にオランダのアクゾ・ノーベルに買収を提案したことがある。
世界市場ではシャーウィンがシェア首位で、米PPGなどが続き、日本ペイントHDは4位だ。
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