日製鋼、23年3月期純利益140億円 予想を開示 1円増配

日本製鋼所は20日、2023年3月期の連結純利益が前期比微増の140億円になりそうだと発表した。子会社の日本製鋼所M&E(北海道室蘭市)による不適切行為の影響が見通せないとして純利益は未定としていたが、現時点で想定される費用を織り込み、予想を開示した。23年3月期の年間配当は1円増の58円とした。
公表済みだった見通しのうち、売上高は23%増の2630億円、営業利益は23%増の190億円と、従来予想をそれぞれ30億円、25億円引き下げた。日本製鋼所M&Eが生産した火力発電向けの鉄鋼部材で検査不正が発覚したことを受け、製品の生産や出荷が遅れる影響が出ている。足元の急激な部材価格の高騰も重荷になった。
日製鋼は5月、火力発電向けの鉄鋼部材で検査データを書き換えるなどの不正があったと発表した。外部の弁護士らでつくる特別調査委員会を設置し、8月末には同委員会の調査で火力発電のボイラー向け鉄鋼パイプでも新たな検査不正があったと発表した。10月末をメドに調査結果を公表する。