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3月の工作機械受注、中国向け3年4カ月ぶり高水準 

安川電は世界の稼働率150%、牧野フライスは輸出2倍

製造業の新型コロナウイルス禍からの回復基調が強まりつつある。日本工作機械工業会(日工会)が20日にまとめた3月の工作機械受注額(確報値)は、中国向けの受注が前年同月比3.3倍の373億円と、2017年11月以来3年4カ月ぶりの高水準となった。電気自動車(EV)の増産や旺盛なインフラ投資を背景に、製造業の設備投資意欲が高まっている。

3月の受注額全体は65.1%増の1278億円となり、19年3月以来2年ぶりに高い水準となった。EVや高速通信規格「5G」、データセンターなどの成長分野をけん引役として生産設備の引き合いが強まっている。世界的なインフラ投資で建機向けの油圧機器なども好調だ。

個別企業をみても、中国市場向けで生産の回復が目立つ。産業用ロボット大手の安川電機は3月の全社の稼働率が150%(定時勤務を100%とした場合)となった。中国では工作機械や半導体製造装置に使うサーボモーター製造工場の稼働率が260%に達しており、「生産する従業員は2シフトと残業で対応しているが、3シフトへの移行も視野に入れている」という。

マシニングセンターなどの牧野フライス製作所は3月の受注が56%増の57億円と19年8月以来の高水準で、輸出が96%増と全体をけん引した。パソコンなどIT(情報技術)機器関連の引き合いを中心に中国の伸びが大きい。芝浦機械は「2月ごろから中国のスマートフォン向けに引き合いが増えている」と説明する。

3月の工作機械受注では北米は32%増、欧州は95%増となった。自動車生産の回復が追い風になっている。世界的な半導体市場の活況で、半導体が集積する台湾は2.1倍、韓国は62%増に膨らんだ。オークマは「3月は韓国の半導体設備向けの受注があり、米国では自動車の部品加工需要が増えている」という。

国内向けの受注は2年4カ月ぶりの前年比プラスとなった。三菱重工工作機械は3月に国内向けが4割増となった。自動車向けの金型加工や半導体関連の大型マシニングセンターの受注が多かった。

当面の受注水準について、業界では増加基調が続くとの声が多い。日工会が3月に集計した4~6月期の受注見通しは、1~3月期と比べて「増加する」と回答した会員企業の割合が27%、「減少する」は9.5%で、差し引きした業況判断指数(DI)は17.6のプラスだった。

ただ、足元では半導体不足が設備投資に対するリスクとなりつつある。自動車大手は相次ぎ減産を迫られている。また、世界的なコロナ感染の再拡大も不安要素だ。経済活動が再び停滞すれば、生産回復のペースが鈍る懸念がある。

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