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新築マンション、発売戸数は上半期4%減 価格は高値圏

不動産経済研究所(東京・新宿)が20日発表した4~9月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数は前年同期比4.2%減の1万2271戸だった。好立地の高額物件の人気は根強いものの、資材費高騰などの先行き不透明感で新規供給が伸び悩んだ。販売価格は高値圏が続き、一部の購入検討者の慎重姿勢も見られる。

4~9月の減少は2年ぶり。地域別の発売戸数では東京23区が11.8%減ったほか、神奈川県なども減少した。9月の首都圏の販売戸数も2カ月連続で前年実績を下回り、1つの物件で100戸以上の供給はなかった。今年は新型コロナウイルスの影響で住まいを見直す動きが広がった2021年上半期ほどの勢いは見られなかった。

消費者の購入割合を示す契約率も首都圏で4~9月は67.7%。好調の目安である70%を下回り、9月も全エリアで7割に届かなかった。一方で、販売価格は高値圏で推移する。4~9月の首都圏の平均価格は6333万円と前年同期比5.5%下落したが、昨年同期の最高値に次ぐ過去2番目だった。

新築マンションが売れなくなったわけではない。三菱地所レジデンスなどが9月に一部を売り出した高額マンション「ザ・パークハウスグラン三番町26」(東京・千代田)は最高額11億円超の部屋を含め人気となった。神奈川県や埼玉県でも駅近くの高層マンションを中心に売れ行きは好調で、富裕層や共働き世帯の購入意欲は衰えていない。9月末時点の首都圏の販売在庫数は前年より14.6%少ない状態にある。

ただ、デベロッパー側は開発案件の少なさや資材高など先行き不透明感の影響で、供給戸数を増やすより値下げをせずじっくりと販売する戦略にカジを切っている。購入検討者も価格上昇が続くなか、金利動向や新規物件の動向を注視する。新築マンションに加え、中古マンションや戸建てなど選択肢を広げて検討している形だ。

実際に、中古マンションの買い取り再販を手掛けるホームネット(東京・渋谷)の浜中雄大社長は「初めて持ち家を購入する『一次取得者』のニーズは強い」と語る。首都圏での販売価格は平均3500万円。65~70平方メートルの広さの物件が東京23区内でも見つかるため、新築マンションではなく中古物件に決める顧客も多いという。

今後の新築マンションの注目点について、不動産経済研究所の松田忠司上席主任研究員は「円安で生活コストが上がるなか、中間所得者などの購入が多い郊外物件の売れ行きが続くかどうか」と指摘する。新築マンション販売で「量」を増やすことは難しくなっており、売れ行きという「質」の持続性が当面の注目点となりそうだ。

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