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牛丼値上げ、3社出そろう 原材料高・円安響く

ゼンショーホールディングス傘下の牛丼チェーンすき家は20日、主力商品「牛丼」を値上げすると発表した。「並盛」の価格引き上げは2015年4月以来、6年8カ月ぶり。輸入牛肉など原材料価格の上昇に加え、為替の円安で費用が膨らむため。牛丼3社は9月以降に全社が値上げに踏み切り、デフレの象徴的存在だった牛丼業界は転換点を迎えている。

すき家は23日午前9時から、牛丼(並盛)を現在の350円から400円に引き上げる。「ミニ」は40円増の330円に、「大盛」は70円増の550円などとする。「米国産牛肉をはじめとする食材費に加え、配送費や包材費などの上昇が続いている」(同社)ことに対応した。

他の牛丼大手2社も今秋から相次いで値上げに踏み切った。吉野家は10月29日、店内で提供する「牛丼(並盛)」を39円引き上げて426円と、7年ぶりに値上げした。松屋フーズも9月下旬に、関東以外で販売していた「牛めし(並盛)」を320円から380円に改定した。

背景にあるのは主な原材料である牛肉価格の高騰だ。新型コロナウイルス禍で生産地の人手不足が強まったほか、経済再開が早い米国や中国で需要が急拡大した。今秋には牛丼店が使用する米国産バラ肉(ショートプレート)の卸値(冷凍品、大口需要家渡し)が1キロ1075円前後と20年夏の安値から2倍近い水準まで上がった。

飲食業で使う食材は輸入依存が高く、円安の進行も逆風だ。足元の為替レートは1㌦=113円台と、20年末から約10円円安に振れている。15日には米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小(テーパリング)の加速を決めた。大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「米国の緩和縮小でドル高基調が強まれば、内需企業に小売価格の上昇圧力が上乗せされる」と指摘する。

コロナ禍の一服で、国内でも人手不足が深刻化しそうだ。リクルートによると11月の飲食店など「フード系」のアルバイト・パート募集時平均時給(三大都市圏)は前年同月比31円(3%)高い1062円で、2カ月連続で過去最高だった。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎首席研究員は「(牛丼の値上げは)客の数ではなく単価の上昇を先行的に進めることで収益を確保する狙いもあるのではないか」と話す。

デフレの象徴的存在だった牛丼チェーンが相次いで値上げに踏み切ったことは、外食やサービス業界全体に影響を与える可能性もある。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「日本はより成長率の高い海外に食材やエネルギーを依存しており、今後も原材料価格の上昇を免れない。内需系企業への影響は広がるだろう」と指摘する。

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