三菱ケミカル、廃車のプラスチック再利用 東京海上と

三菱ケミカルグループは20日、東京海上日動火災保険と廃棄プラスチックの再利用で協力すると発表した。東京海上日動が保険業務を通じて取得した廃棄予定の自動車などからテールランプなどを回収し、三菱ケミカルが新たな樹脂材料に再生する。
3月に実証実験をはじめ、2024年度にも事業化を目指す。車のテールランプやバイザーなどに使われてるアクリル樹脂を回収し、再生する。廃棄プラスチックの削減や二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる狙い。
東京海上日動は自動車事故の保険金支払いに伴い、多くの全損車を取得している。自動車リサイクル業者のABT社(東京・千代田)を通じて中古車や中古部品として再流通させる以外は廃棄していた。
三菱ケミカルが実証実験中のリサイクル技術を活用すれば、石油由来原料からつくる従来品に比べCO2排出量を7割以上削減できるとみる。再生した樹脂原料は車向けに限らず、塗料や建材など幅広い用途にも活用する。
自動車保険のネットワークを活用し、使用済み自動車からプラスチック素材を回収、再生する取り組みは国内で初めて。
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