BRCA遺伝子変異のリスク、胃がんや食道がんでも上昇
がん社会を診る 東京大学特任教授 中川恵一
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がんは遺伝子の病気ですが、遺伝(家系)は発症原因の5%程度にすぎません。その例外的な「家族性腫瘍」の代表が「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」です。
発症原因はBRCA1、BRCA2遺伝子の家系的な変異で、親から子へ50%の確率で受け継がれます。その名のとおり、乳がんと卵巣がんのリスクが非常に高くなります。
欧米のデータでは、BRCA1/2の変異を持つ人が80歳までに乳がんを発症する確率は...