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第一三共の抗がん剤「エンハーツ」、米国で特許侵害判決

第一三共は20日、主力のがん治療薬「エンハーツ」について、米製薬シージェンの特許を侵害したとする判決を米テキサス州東部地区連邦地裁が出したと発表した。シージェンの損害額は4180万ドル(約58億円)と認められた。第一三共は連邦地裁の判決を不服として、申し立てなどの法的措置を検討する。

シージェンは2024年に特許が切れるまでの売り上げに対するロイヤルティー支払いも求めていたが、判断は出なかった。第一三共は23年3月期の連結業績予想に与える影響を精査中としている。

訴訟の対象になったのは、エンハーツに使われる「抗体薬物複合体(ADC)」と呼ぶ技術。がん細胞のたんぱく質と結合する抗体に抗がん剤をつけ、薬の効き目を高くする。第一三共はシージェンと08年からADCの共同研究をしていたが、新薬開発の成果が出ないとして15年に関係を解消した。

第一三共は19年に米国でエンハーツの承認を取得した。シージェンは20年10月に第一三共のADC技術がシージェンの特許に抵触するとして提訴。第一三共も同年12月、米特許商標庁にシージェンの特許の有効性を巡る審査を請求したが、シージェンによる審査の取り下げを訴える再審理請求が認められ、手続きはこのほど中止された。

シージェンとの訴訟では、米デラウェア州連邦地裁でもADC技術に関する知的財産権の帰属について仲裁手続きが進んでおり、22年半ばに結論が出る見込み。

第一三共はエンハーツを成長の柱と期待している。23年3月期の売上収益は前期比98%増の1599億円を計画する。

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