SKY-HI BE:FIRSTのために次なる「旗」を立てる時期
連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(27)
今回は『日経エンタテインメント!』2021年12月号に掲載したSKY-HIのインタビューを抜粋。話を聞いたのはBE:FIRSTのデビュー前。フェスやラジオ、テレビへの出演が続き、雑誌やインターネットメディアでも彼らの取材記事があふれ、並行してデビューに向けての準備も進めていた。その中でプレデビュー曲『Shining One』のミュージックビデオの再生回数は2000万回目前に迫っていた。世に出ると同時に"現象"を起こした彼らを、SKY-HIはどう捉えているのか。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら]

「僕も彼らもとても忙しい毎日ですが、今も極力みんなでご飯を食べたり、一緒に過ごしたりする時間はなんとか作るようにしています。アーティストとしての彼らの『今』を語るのは、絶妙に難しいですね。デビューはこれから(11月3日)なので、まだプレデビューの反響の大きさに対して感慨にふけっている余裕はない。今の反響は、想定していなかったわけではないけれども、大きいほうかな。
反響については、『全然ない』パターンから『最初から注目を集められる』パターンまで複数の想定はしていたんですよ。全然反響がなかったとしても、『やるべきことをやり抜けば、それでも必ず勝ち上がれる』と確信も同時にしていたけれど。
ただ、反響の大小にかかわらず、メンバー自身がやらなくちゃいけないことは変わってないんです。1番大事なのは『いいパフォーマンスをすること』に尽きます。今、ありがたいことに、たくさんの歌番組からオファーをいただいているんですが、だからこそ早急に乗り越えなくちゃいけない課題も増えているかもしれない。
だって彼らは『クオリティファースト、クリエイティブファースト、アーティスシズムファースト』を掲げた『THE FIRST』から生まれたグループだから。番組や世間からのパフォーマンスへの期待値も高いんです。そこで彼らにプレッシャーを掛けちゃっているなとちょっと思う一方で、それがあるから怠れないのはいいことだと思います。
『THE FIRST』がブレなかったのは、『旗』があったからだと思うんです。合宿後の最終審査でデビューすることすら彼らにとって最終目標ではなくて、ただ目指すべき旗として3つのファーストがあった。そういう意味では、今は旗がいろいろな状態です。
メンバー内でも、高校卒業を控えるSHUNTOとダンサーとしての道を途絶えさせてでもここに来たSOTAと就職を辞退したJUNONと……みんなバラバラなバックグラウンドがあってここにいるけど本当に仲が良いし、チーム全体としてここに向かうぞという『結束力』は強い。お互いをリスペクトし合った関係を作ってくれているのも、本当に素晴らしいと思います」
「ただ、彼らが今持つべき形の『団結力』という意味では見つめ直さなくちゃいけない時期。ちょっと新たな旗を立てようと思っています。足並みをそろえなくてもいいけれども、全員同じスピードがすごく出る同じ目標を持つことによって、前に向かえるといいなと思っています。
もちろん改めて前提として、素晴らしい状況なのは間違いないですね。成長曲線としても。ただ、BE:FIRSTを"ブーム"で終わらせてはいけない。即時的な人気で終わらせないためには、彼らがストーリーを続けていける人になるしかないので、それを一緒に頑張りたいなと感じています。
まだ、自分が本当に手放しで『最高だ』って言える状況では当然ないです。めちゃくちゃ緊張しています。それでも彼らは人としてもアーティストとしてもどの角度から見ても最高なのは間違いないですし、デビューにはすべてを間に合わせてくれると信じています。
『THE FIRST』から応援してくださっている方には、これからも信頼してもらっていいと自信を持って言えますね。『THE FIRST』は本当に演出が入っていないし、彼らも誰かや何かのためにやっているのではなく、本当に全員が全員、『自分のためがみんなのため』『みんなのためが自分のため』にやっていました。
その『THE FIRST』が紡いだストーリーはこれからも続いていくんです。『THE FIRST』は最初からそのつもりで『THE FIRST(一歩目)』と名付けたし、BE:FIRSTをはじめとした『THE FIRST』出身のアーティストにしても、『THE FIRST』を起点に彼らそれぞれの次の人生のストーリーが始まっています。人生って本来そうあるべきで、きちんとストーリーを続けていくことが1番大事だと思うんです。ファンの方にもそれを望んでいただいていると思うし、それをやり続けるだけかなと思います」
(次回に続く)

【過去の記事一覧と「BE:FIRST」についてはこちら】
(ライター 横田直子)
[日経エンタテインメント! 2021年12月号の記事を再構成]
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