「100年企業」からの学び - 日本経済新聞
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「100年企業」からの学び

SmartTimes 公益資本主義推進協議会副会長 田中勇一氏

「上徳は谷の如し」を座右の銘とし、130社を超える企業の人事労務管理支援をしているのは、社会保険労務士法人マッチアップ(福岡市)代表社員松田修さん。座右の銘は、松田さんの生き方そのものを表しており、目立たずも生命の息づく豊かな谷のような陰徳や受容力をもって社会に貢献してきた。

松田さんは大学卒業後、信販会社に入社し債権回収業務に従事。厳しい業務のため一緒に入社した同期はほとんど辞めていく中、寝食を忘れ仕事に没頭。必死に仕事をすることで成長を実感できたが、学生時代より興味があった企画業務に就きたいとの思いが募る。

そして、思い切って企画業務につける可能性のある会社に転職する。企画業務の中でも人事業務に興味をもった松田さんは転職2社目の会社で社会保険労務士の資格を取り、社長にアピールしたところ、念願の人事部配属が決まる。

ただ、念願がかなうも、人事部には優秀な人材が集まっており、知識や経験が豊富な人が多く、会社の中で人事のプロとして頭角を現すのは難しいと感じるようになる。そこで、松田さんは社労士の資格を生かした開業を目指す。無事開業はできたものの、安直に開業したため、立ち上げ当初は迷走してしまう。その後、縁を大事に何とか会社を続けるも、なかなか消化不良の状況から抜け出せない。

そういった中、二つのきっかけで、経営が好転していく。最初のきっかけは、公益資本主義推進協議会大久保会長が塾長を務める大久保秀夫塾への参加。そこで学んだ、社員とその家族を最も大事にするという姿勢を取り入れ、社員の組織への帰属意識が高まり、それが業績にも如実に反映されるようになったのだ。

そして、もうひとつは同協議会の仲間と百年企業研究を始めたことだ。松田さんは研究を通じ、百年企業は極めて実践主義・実用主義であり、生命体の原理原則を順守し、頭でっかちの理論・理屈では動かないことを知る。百年企業が続く理由は、続ける価値があるからであり、その価値を知っている者が代々受け渡していく結果として、よい会社ほど同族経営になっていくことも気づく。

そこで、松田さんは自分の会社も継承に値する会社にすることを決意し、家族的な会社としてかかわる人すべてを幸せにすることを目指す。そして、続ける価値のある会社にしていくための基盤整備をしつつ、自ら後継者として手を挙げ、勤めていた銀行を退職して会社に入ってきた息子さんが、後継者としての実力をつけられる環境づくりにも励んでいる。

松田さんの活動は会社経営に留まらない。「自らが還暦を迎え、先立つ後悔を考えた時に、政治を封印してきたことに気づいた。今後は、孫たちの世代に誇り高い日本を引き継ぐ活動にも注力したい」と熱く語る。

[日経産業新聞2023年2月1日付]

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