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首都圏マンション1~6月発売、一転減少 高値で慎重姿勢

不動産経済研究所(東京・新宿)が20日発表した2022年1~6月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築分譲マンションの発売戸数は前年同期比4.2%減の1万2716戸だった。契約率は好調の目安となる7割を上回ったが、発売戸数は当初予想の前年比プラスから一転して減少に転じた。価格高騰や開発案件の減少を受け、不動産会社が慎重姿勢に転じつつある。

前年実績を下回ったのは2年ぶり。地域別では東京23区が減少した半面、埼玉県(29.3%増)や東京都下(6.2%増)は上回った。首都圏の平均価格は6511万円と1.5%上昇。上半期としては過去最高の20年(6671万円)に次ぐ水準だった。

発売初月の契約率は72.1%と好調の目安とされる7割を2年連続で上回った。販売在庫数も減少傾向が続く。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「在宅勤務など働き方の多様化から郊外物件の人気が目立つ」と指摘する。共働き世帯の収入増や、低金利が購買意欲を下支えしてきた。

ただ、それでも発売戸数が前年を下回った背景に、市場環境の変調が見て取れる。

一つは価格に対する顧客心理の変化だ。不動産会社による用地取得費は近年高騰。資材高も背景に、マンション価格は上昇してきた。低金利や共働き世帯の収入増により購入者は根強くいるものの、「一部で(発売価格が)高すぎると感じる物件も散見される」(三井不動産レジデンシャルの嘉村徹社長)。

もう一つは、住宅市場の先行き不透明感だ。住宅ローンの変動金利は0.4%程度となお低水準だが、「将来の金利上昇への懸念が一定程度、消費者心理に影響する」(住宅不動産助言会社トータルブレインの杉原禎之副社長)との見方が多い。新築より割安として好調だった中古マンションでも22年1月以降、首都圏の販売実績は前年を下回る状況が続いている。

売り手である不動産会社側の事情もある。都心では工場跡地など、マンション建設に向いた遊休地の再開発は一巡。有望な土地の取得価格は今後も上昇が続く見込みだ。「建築費も上がりマンションの発売戸数を大きく増やせない」(三菱地所レジデンスの宮島正治社長)として、各社の手持ちの開発案件は以前より減っている。

このため不動産大手は値引き販売して在庫消化を急ぐより、時間をかけて購入者を探す販売戦略にカジを切りつつある。ある不動産会社幹部は「売れる物件を見極め、需要に見合う発売戸数を慎重に決める」と話す。

不動産経済研究所の松田氏は下半期の首都圏の新築マンション市場について、「2万戸の発売戸数を見込んでいる」と話した。年間の発売戸数は前年比3%減の3万2500戸程度と、一転して前年比減少を見込む。

不動産大手は消費者の購入意欲は衰えていないとみるが、マンションの高騰が続けば買い手はさらに限られていく。どのように顧客の需要が見込める土地で住宅を開発し収益を確保していくか、かじ取りの難しさは一段と増している。(原欣宏)

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