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ポストコロナへの備え

SmartTimes セントリス・コーポレートアドバイザリー代表取締役 谷間真氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

大型連休は久しぶりににぎわいを取り戻し各地で混雑が目立った。企業は約2年間にわたる新型コロナ禍から脱却し、ポスト・コロナでの経済活動を見通さなければならない状況となってきたが、大きな変化への対応はこれからだ。

日本社会は雰囲気によって多くのことが決まっていくため、まだポスト・コロナの変化は予測可能な段階にはなく、企業にとって重要な事象を厳密に計測していく必要がある。新型コロナにより人々の価値観とライフスタイルの変化、それを踏まえたテレワークや会食控えなどの企業活動の具体的な変化、海外渡航の回復の程度、円安の影響による原価高騰など検証すべき事象は多い。各企業は早期に戦略を見直し実行に移さなければならず、この対応スピードが明暗を分けることとなる。

新型コロナの影響が過大であったため、企業によっては緻密な指標に基づく経営ができなくなってしまったが、これからは業績に影響を与える環境変化を明確にし、緻密な計測をして新たなビジネスモデルを再構築した上で利益を捻出しなければならない。政府からの支援はいつまでも期待できないしすべきではない。

新型コロナで最も影響を受けた飲食業ではコロナが収束したとしても企業の会食・宴会控えで売り上げは80%程度の回復に留まるだろうが、一方で食材原価については大幅な高騰が見込まれ、これまでの損益構造は大幅な見直しを迫られる可能性が高い。

顧客ターゲット変更などの業態見直しをしなければ、単純に売価の引き上げだけで顧客満足度を保った業績回復は見込めない。長期にわたる顧客減少による人員削減などの結果、人材不足や技術の低下もあるだろう。一方でインバウンドの回復も予測困難な状況だ。損益構造を早急に見極めなければ、既にコロナの影響による赤字とは言えないタイミングが来ている。

一部ではリアルでの活動の価値も見直されるだろう。これから、リアルとオンラインのバランスがどの程度になるのかは未知数だ。テレワークによる組織への帰属意識の低下や副業・複業の浸透、ライフワークバランスの価値観の変化、これらの人々の価値観の変化に対する経営者の判断などが総合的な影響を与える。さらにこのようなライフスタイルの変化が、立ち上がり始めた地方創生や地方移住などの新たなビジネスチャンスにもなる。

海外旅行と国内旅行それぞれの回復スピードや企業の出張の必要性の変化、インバウンドの回復状況からも目を離せない。

企業のそれぞれの未来が輝くかは、これからの変化の見極めと対応力にかかっている。大手企業は変化への対応が遅く、スタートアップにとって有利な状況だ。これからの時代に合致したスタートアップの成長に期待したい。

[日経産業新聞2022年5月25日付]

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