クボタ、一時6%高 インド農機買収で成長期待
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19日の東京株式市場でクボタ株が急伸し、一時前日比149円(6%)高の2488円50銭をつけた。18日の取引終了後にインドの農機大手エスコーツを子会社化すると発表した。世界最大とされるインドのトラクター市場への本格参入で、収益力が向上すると期待した買いが集まった。

終値は同145円高の2484円50銭と、この日の高値圏を維持して取引を終えた。
クボタは第三者割当増資の引き受けなどに約1400億円を投じ、2022年3月までに出資比率を現在の約9%から最大約54%に引き上げる。エスコーツが持つ低コストの部品調達網などを活用し、低価格品の開発や生産につなげる。
JPモルガン証券の佐野友彦氏は「(買収資金の回収期間の目安となる)EV/EBITDA倍率は約17倍と高いが、期待も高い投資だ」と指摘する。機能や品質といったクボタの強みとエスコーツの低コストを組み合わせれば、新興国などに競争力の高い製品を供給できるという。
クボタ株は今年5月に上場来高値をつけた後、原材料高などの懸念から売りに押されていた。この日の上げでも、高値からはなお9%安い水準だ。auカブコム証券の河合達憲氏は「為替の円安などで今期業績の上振れ期待もあり、高値更新の余地が出てきた」とみる。
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