帝人と富士通、ブロックチェーンで炭素繊維の再利用証明

帝人と富士通は19日、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使い、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の二酸化炭素(CO2)排出量やリサイクル材使用状況を証明する仕組みを実証実験すると発表した。まずドイツの自転車メーカーなどと共同で、素材を仕入れてから加工、販売するまでの経路でデータを収集して管理する。
帝人と富士通は2022年にリサイクル素材の情報をブロックチェーンで管理するプラットフォームを共同で立ち上げ、帝人の素材を使う最終製品メーカーなどシステムを導入する企業を探していた。
CFRPを使った自転車を手掛けるドイツの自転車メーカー、フレーム製造会社と共同で実証実験する。これまで製造工程で出たCFRPの端材を製品にリサイクルしていたが、帝人と富士通が開発するプラットフォームを導入する。ブロックチェーンを使うことで供給網の環境対応に関するデータ改ざんをしにくくし、情報の信頼性を高める。CFRPでの利用について23年度中の事業化を目指している。
軽量で強いCFRPは航空機や電気自動車(EV)、風力発電のブレードにも使われている。自転車メーカーとの協業を足がかりに、今後様々な業種で炭素繊維リサイクル管理システムの導入を目指す。