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武田、おたふく風邪ワクチン出荷停止 工場で設備不良

武田薬品工業はおたふく風邪向けワクチンの出荷を停止した

武田薬品工業は19日までに、国内で製造販売するおたふく風邪(流行性耳下腺炎)向けワクチンの出荷を停止した。国内の主力拠点である山口県内の工場で設備の不具合が見つかり、稼働を中止している。出荷再開は10月末になる見込みだ。武田は同ワクチンの国内供給の半分程度を占めるとみられる。すでに小児科などの医療機関では接種の休止が相次いでおり、影響が広がりそうだ。

おたふく風邪が流行する季節は年によって異なり、ワクチンは通年接種されている。2019年には約160万人が接種した。日本小児科学会では、1歳と小学校入学前の1年間の計2回の接種を推奨している。

出荷を停止したのはおたふく風邪向けワクチン「タケダ」。山口県光市内の工場で生産してきた。今回は3月にワクチンのもとになる原液を製造する設備のフィルターに異常が見つかった。その後、影響を精査し品質への影響を否定できないことから、懸念される製品について破棄したという。

4月末にも在庫が切れる見込みだ。今後、原因となったフィルターを取り換えるが、ワクチンの製造には「6カ月ほどかかることもある」(同社)とされ、出荷再開は10月末になるという。「フィルターの管理手順などを見直して再発防止に努める」(同社)

同ワクチンは国内では第一三共子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)も製造販売する。第一三共は「(武田から)自社製品への切り替えが起きると品薄になる可能性がある。出荷ペースの調整などを含めて検討する」としている。

武田のワクチン出荷停止の影響は既に出ている。川崎市の総合病院、太田総合病院では16日にワクチン接種中止を公表した。「第一三共からの代替品の調達も、第一三共が既存顧客を優先するために難しい。他の医療機関への紹介を進めている」(同院)

ワクチンは出荷停止になる例が相次いでいる。阪大微生物病研究会は1月、日本脳炎ワクチンの出荷を4月以降に止めると発表した。香川県にある主力工場で製造するワクチンの原液の中に微生物が発生したため、2020年11月に1カ月製造を停止した。

製造設備を更新し、管理手順を改善して製造を再開。21年12月以降の出荷再開を目指すが、21年度の製造量は20年のおよそ半分にあたる156万本となる見込みだ。同じく日本脳炎ワクチンを製造するKMバイオロジクス(熊本市)が増産することで不足を補うが、同年度の総生産量は前年度比で80%の323万本となる見込みだ。

このため厚生労働省は21年度に日本脳炎ワクチンの接種対象である4歳と9歳の子供の接種を22年度に先送りすると通知している。

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