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ネトフリ、進むインフラ提携 地方のテレビ視聴者狙う

米ネットフリックスが日本で電力会社と組んで、動画配信サービスと電気料金の割安なセットプランの提供を始める。定額制の動画配信サービスでは国内シェア首位だが、テレビ視聴が根付いている地方では苦戦している。テレビやスマートフォンなど画面視聴を巡る競争が加速する。

同社は20日、東北電力子会社の東北電力フロンティア(仙台市)と業務提携を結び、11月から動画サービスと電気料金のセットプランを始めると発表した。電気料金と動画配信サービスを別々に契約するよりも、年間で9300円ほど得になる場合がある。

新サービスは東北6県と新潟県の約420万世帯が対象になる。動画配信を視聴できる携帯電話会社とセットプランの提携はあったものの、非通信の電力会社とは初めて。

ネットフリックスは2015年9月から日本でサービスを開始し、オリジナル作品を強みに会員数を伸ばしてきた。調査会社ジェムパートナーズ(東京・港)によると、定額の動画配信サービスの国内シェアは19年に13.8%で首位となり、20年には5.7ポイント伸び19.5%までシェアを拡大させた。新型コロナウイルス下の「巣ごもり需要」で追い風を受けた格好だ。

今回の東北での取り組みの狙いについて、同社関係者は「首都圏の若い世代以外に顧客を広げたい」と語る。スマホで視聴できる動画配信サービスはテレビを持たない若年層から支持を得る一方、地方では弱いためだ。

調査会社マクロミルによると、7月のネットフリックスのスマホアプリ利用率は東北地方は3.4%と、関東地方(4.2%)と比べて0.8ポイント低かった。一方、地方ではテレビの視聴時間が長い傾向がある。調査会社インテージがインターネットに接続できるスマートテレビを対象に、8月10日の平均テレビ視聴時間(地上波や衛星放送など含む)を調査したところ、10位内に東北6県と新潟県が入り、1位の秋田県は361分だった。東京都は36位で289分だ。

ネットフリックスはコロナ下で自ら配信サービスに積極的に加入する「能動的ユーザー」を獲得しシェアを伸ばしてきたが、国内外で積極的に利用しない「受動的ユーザー」の獲得が課題となっている。海外でも7月にスペインで電力会社と組んで顧客の掘り起こしを始めた。

「地方の雄とされるパートナーを通じて、その地域に広く深く根ざしたい」(同社ビジネス・デベロップメント部門の下井昌人氏)。日本国内でも受動的ユーザーの取り込みを強化するため、東北以外でもインフラ事業者との連携も進めていく方針だ。

国内の動画配信サービスの競争は激化している。米アマゾンの「アマゾンプライム」といった外資系のほか、若年層の「テレビ離れ」を懸念する民放キー局各社も自社番組などのネット配信サービスを立ち上げている。NHKも20年4月に配信サービス「NHKプラス」を始め、東京五輪を機に利用者が伸びている。

映像メディア総合研究所の四方田浩一代表は「テレビ局も含めた動画配信事業者で、視聴時間を奪い合う競争は加速する」と指摘している。

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