性能重視のデスクトップ8製品 長く使える点が魅力
2022年春のパソコン新潮流(6)
春のパソコン商戦は、Windows 11時代の本格的な到来を告げるものになりそうだ。ほとんどのパソコンが11を搭載し、CPUやストレージ容量など基本性能を高めている。今こそパソコン買い替えの好機。製品選びのツボを解説する6回連載の最終回は、デスクトップパソコン。何よりも性能重視という人に向く。拡張性があり、各種パーツを増設したり交換したりしながら長く使える点も魅力だ。
性能最優先ならデスクトップを選ぼう
性能を最優先する人は、ノートパソコンよりもデスクトップパソコンを選んだほうがよい。ノートパソコンは、デスクトップパソコンで使われているような大型のCPUクーラーを組み込めない。そのため、ノートパソコン用CPUは発熱を抑える必要があり、例えば同じ世代のCore i7であっても、デスクトップパソコン向けと比較すると性能が大きく劣るからだ。
加えて、デスクトップパソコンには、高性能な大型グラフィックスボードを搭載できるというメリットもある。また、使っているうちに性能に不満が生じた場合、デスクトップパソコンならグラフィックスボードやメモリー、ストレージなどを追加、交換することができる。
現在、デスクトップパソコンでは、第12世代Core搭載モデルが多数登場している。高精細の4K動画編集など負荷の高い作業をするならCore i7以上がお薦め。3Dゲームを利用しないならグラフィックス機能はCPU内蔵のもので十分だが、3Dゲームをとことん楽しみたいなら高性能なグラフィックスボードを搭載した製品を選ぼう。
なお、マルチメディア機能などが充実した液晶ディスプレー一体型もデスクトップのカテゴリーに入るが、このタイプに搭載されているCPUはノートパソコン向けで拡張性も乏しい。その点は覚えておきたい。
マウスから高性能で安定性にも優れたクリエーター向け

直販価格:25万2780円(2月5日時点)
●CPU:Core i7-12700●メモリー容量:32GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)+2TB HDD●グラフィックス:GeForce RTX 3060●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:Thunderbolt 4×2、USB 3.2(Gen 2x2)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×6、USB 2.0×2、DisplayPort×3、HDMI●無線LAN:Wi-Fi 6●サイズ:幅190×奥行き490×高さ410ミリ●重さ:11.5キロ●オフィス:なし
第12世代Core i7を搭載したクリエーター向けモデル。アドビの動画編集アプリ「Premiere Pro」などの処理を高速化するGeForce RTX 3060搭載グラフィックスボードや、32GBメモリー、PCIe 4.0対応512GB SSDなどハードウエアの性能は申し分ない。冷却など安定性、耐久性を高める工夫が随所に施されている点も本機の特徴だ。


デルの高性能モデル、第12世代Core i7を搭載

直販価格:22万2285円(2月5日時点)
●CPU:Core i7-12700K●メモリー容量:16GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)+1TB HDD●グラフィックス:GeForce RTX 3060 Ti●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2x2)Type-C、USB 3.2(Gen 2)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×5、USB 2.0×2、DisplayPort、SDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●サイズ:幅173×奥行き426.7×高さ391ミリ●重さ:7.62キロ●オフィス:なし
第12世代Core i7-12700K、16GBメモリー、PCIe 512GB SSDなど充実した基本性能を備えるうえに、重量級3Dゲームも快適に動作するGeForce RTX 3060 Tiグラフィックスボードを搭載。幅広い用途に高いレベルで対応する高性能な1台だ。
FRONTIERの第12世代Core搭載機は11万円台

直販価格:11万4800円(2月5日時点)
●CPU:Core i5-12400F●メモリー容量:16GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●グラフィックス:GeForce GTX 1650●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 1)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×5、USB 2.0×4、DisplayPort、HDMI、DVI-D●無線LAN:なし●サイズ:幅190×奥行き421×高さ356ミリ●重さ:非公表●オフィス:なし
第12世代Core搭載モデルとしては比較的低価格ながら、16GBメモリーや512GB SSD、ミドルレンジグラフィックスボードを搭載するなどツボを押さえた構成が魅力。
Core i3を採用、アプライドの高コスパモデル

直販価格:7万4800円(2月5日時点)
●CPU:Core i3-12100●メモリー容量:8GB●ストレージ:500GB SSD(PCIe)●グラフィックス:CPU内蔵●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2)×2、USB 3.2(Gen 1)×4、USB 2.0×4、DisplayPort、HDMI×2●無線LAN:なし●サイズ:幅96×奥行き411×高さ330ミリ●重さ:非公表●オフィス:なし
CPUに第12世代だがCore i3を採用することで低価格を実現しているスモールデスクトップ。メモリーは8GB、ストレージは500GB SSDでビジネス用途には十分。メモリーは6500円の追加で16GBにできる。
TSUKUMOは幅広いゲームが快適に動作

直販価格:19万7800円(2月5日時点)
●CPU:Core i5-12400●メモリー容量:16GB●ストレージ:1TB SSD(PCIe)●グラフィックス:GeForce RTX 3060●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2x2)Type-C、USB 3.2(Gen 2)×2、USB 3.2(Gen 1)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×6、DisplayPort×3、HDMI●無線LAN:Wi-Fi 6●サイズ:幅190×奥行き475×高さ435ミリ●重さ:12キロ●オフィス:なし
マザーボードにゲーマー向け機能が充実したASUS TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4を、グラフィックスボードにGeForce RTX 3060をそれぞれ採用。幅広いゲームを快適に楽しめる性能を備える。
ドスパラから非ゲーマー向けの高性能モデル

直販価格:16万9980円(2月5日時点)
●CPU:Core i7-12700K●メモリー容量:16GB●ストレージ:1TB SSD(PCIe)●グラフィックス:CPU内蔵●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2x2)Type-C、USB 3.2(Gen 2)、USB 3.2(Gen 1)×4、USB 2.0×2、DisplayPort、HDMI●無線LAN:なし●サイズ:幅245×奥行き593×高さ562ミリ●重さ:18.5ミリ●オフィス:なし
Core i7-12700Kを搭載した高性能モデル。グラフィックスボードを搭載しないため、非ゲーマーの性能重視派にお薦め。各種インターフェースも充実している。
性能重視派はパソコン工房に注目

直販価格:21万3980円(2月5日時点)
●CPU:Core i7-12700K●メモリー容量:16GB●ストレージ:1TB SSD(PCIe)●
グラフィックス:GeForce RTX 3060●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×6、USB 2.0×2、DisplayPort×2、HDMI●無線LAN:なし●サイズ:幅220×奥行き460×高さ465ミリ●重さ:非公表●オフィス:なし
Core i7-12700KとZ690マザーボード、GeForce RTX 3060グラフィックスボードなど、高性能パーツを搭載。ストレージは高速かつ大容量の1TB SSD。水冷クーラーを採用するなど熱対策も万全だ。
NECの液晶一体型モデル、TV視聴が可能

実売価格:28万6000円前後
●CPU:Ryzen 7 5800U●メモリー容量:16GB●ストレージ:1TB SSD(PCIe)●
グラフィックス:CPU内蔵●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2) Type-C、USB 3.2(Gen 1)×3、HDMI、SDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●サイズ:幅615.4×奥行き221×高さ440.2~526.5ミリ●重さ:11キロ●オフィス:Office Home & Business 2021
27型液晶ディスプレー一体型パソコン。CPUは、Ryzen 7 5800Uを搭載。TVチューナーを内蔵し、Blu-rayドライブを装備するなどマルチメディア向け機能が充実している。
(ライター 滝伸次)
[日経PC21 2022年4月号掲載記事を再構成]
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