日本製紙、JAL国内線で使用する紙コップをリサイクル

日本製紙は日本航空(JAL)の国内線の一部路線で、紙製のコップやマドラーを回収してリサイクルすると発表した。羽田―那覇線で就航する一部機体を対象とし、12月1日から回収を開始する。まずは段ボール原紙などにリサイクルする予定で、今後さらに対象路線を拡大する。
JALは2022年10月から、国内線の機内サービスで使うコップの蓋をプラスチック製から紙製に順次切り替えている。使用後の紙製コップや蓋、マドラーを回収し、日本製紙の草加工場(埼玉県草加市)でリサイクルする。
紙コップの表面には防水などのために薄いプラスチック塗装がされているが、紙とプラスチックを分離して繊維をほぐす。まずは段ボール原紙などにリサイクルする予定だ。
紙コップのリサイクルでは、表面のプラスチックや飲食物の残りを紙と分離することが課題だった。日本製紙はこの分離処理を研究し、22年10月に富士工場(静岡県富士市)で再資源化の新設備を稼働した。これまで処理コストなどの問題で回収量が一定に達した場合しか新設備を利用できなかったが、JALとの取り組みにより、定期的に大量回収できるめどが立った。
今後はさらに対象路線を広げ、回収量が一定基準に達したタイミングで富士工場の新設備を使用する。富士工場の新設備ではトイレットペーパーなどの家庭紙にリサイクルできる。羽田空港発着の国内線約400便で回収した場合、1日に約3万個の紙コップが回収できるという。トイレットペーパーにリサイクルすれば960ロール分になる計算だ。