ため池の水面状況を遠隔監視、三菱電機がサービス開始
三菱電機はため池などの水施設を遠隔で監視するサービスの受注を開始した。池にブイ型のセンサーを浮かべて使う。簡単な設置のみで、水位や地域の雨量データを24時間、専用のアプリから確認できる。サービスは8月に開始する予定。農業用ため池の氾濫に備え、維持管理の効率化に役立てる狙いがある。

直径約60センチ、高さ約40センチのブイ型センサーを水面に浮かべると、水位や水温などの水面状況が計測できるほか、ため池周辺の天気などを専用のアプリから確認できる。アプリには、メモや写真を登録するなど管理に役立つ機能もつく。
センサーは水中に沈めたおもりとロープで固定して設置する。付属の太陽光パネルと蓄電池で動作するため、災害時にも計測を継続できる。一般的な水位計で必要だった専門技術者による定期的なメンテナンスが不要になり、「維持管理のコストは半分以下に低減可能」(担当者)という。
三菱電機は2025年度までに100市町村への導入を目指す。センサーなどの初期導入費用は税抜き180万円からで、月額3000円から利用可能。農林水産省によると、全国には農業用のため池が約16万カ所ある。
現在ため池の管理には、現地に担当者が行き目視で確認をすることが多い。リアルタイムで把握する遠隔監視用の水位計を設置するには通信設備などの工事が必要だった。