ナビエ、動画を即時に高解像度に スマホでAI活用

人工知能(AI)スタートアップのナビエ(東京・千代田)はスマートフォン上で動画をリアルタイムで高解像度にできる技術を開発した。動画を構成する画像の処理の仕方を工夫することで、スマホで動作するAIでも、適切に画素を増やせるようにした。スマホ向けアプリの運営会社や端末を製造する企業向けに2023年の実用化を目指す。
高解像度の動画を作るには、低解像度の動画を構成する画像のそれぞれで画素を増やす必要がある。研究レベルではAIを使うことで、低解像度の画像を時系列順に画素を増やしていき、高解像度にする成果などが出ていた。ただ、動画の描写シーンが大きく変わった後の画像で精度が上がらないなど、実用面では課題があった。
ナビエは描写シーンが大きく変わる際は、それまでの情報を考慮せずに適切な画素を決める処理を行うことで、動きの激しい動画でも高解像度にできるようになった。処理の中で蓄積されるエラーを定期的に取り除く機能も取り入れたという。
新技術がスマホなどに使われれば、通信環境が悪く受け取れる動画の情報が少ない場合でも、高解像度の動画を見られるようになる。動画を提供する企業は新技術を使うことで、通信量を減らしても、高解像度の動画を送れるようになるので、配信コストの削減につながる。