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丸紅、木質素材「CNF」を靴底に すり減り4割減

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
独自に開発したCNFを靴底に使うことで、摩擦によるすり減りが少なくなる

丸紅中越パルプ工業と共同で植物由来の新素材、セルロースナノファイバー(CNF)の販売促進に注力している。中越パルプ工業がプラスチックやゴムに分散しやすいCNFを開発し、製造を担う。丸紅の販売網を通じてスニーカーの靴底に採用した。靴底のすり減りを4割減らした。消費者や投資家の環境意識の高まりに対応し、今後家電など生活用品を中心に素材転換を促す。

すり減り激減で長持ち

丸紅がゴム製品の分野にCNFを混ぜて商用化したのは今回が初めて。通常、靴は使えば使うほど摩耗してしまう。中越パルプが独自に開発した粉末状のCNFを数%靴底に添加することで、すり減りを通常のゴムと比べ4割減らし耐久性を高めた。

使用・廃棄段階の温暖化ガス排出がゼロとみなされるCNFを使い、靴を長持ちさせて買い替えの頻度を少なくすることで、ごみの量を減らせる。

一般的に普及しているCNFは水分を含んだペースト状で存在し、そこにプラスチックなどの別の樹脂を混ぜようとするとよく混ざらないため、用途が限られていた。

今回開発した粉末状のCNFは、細かい微粒子を液体の中に均一に分散させる薬剤とペースト状のCNFを混ぜて作る。それをゴムに数%添加することで、ゴムとCNFが均一に混ざり耐摩耗性が高まった。

商用化の第1弾として、スニーカー製造のスピングルカンパニー(広島県府中市)が販売するスニーカーの靴底に採用した。あつらえ品として6月から販売を始めた。価格は6月末時点で、ひも付き型が1足1万9800円。ひもや金具がないスリッポン型で同1万7600円。CNFを使っていない同型と比較すると多少値が張るが、6月末時点で約1700足販売した。

丸紅CNF事業推進課の中島大氏は今後について「自動車や家電、タイヤやスポーツ用品、化粧品など様々なものに広げていきたい」と語る。

CNFのコスト低減が課題

CNFは樹脂の強化材のなかでも環境負荷の小さい素材として注目される。原料となるセルロースは木材が成長の過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、温暖化ガスの排出量が少ない。強度は、鋼鉄の5分の1の重さで5倍以上とされる。

矢野経済研究所(東京・中野)によると、CNFの世界生産量は30年に3000トンと20年比で約50倍に増える見込み。機能性を高め、自動車の部品を中心とした樹脂やゴムへの利用が進むことで一気に需要が拡大するとみられる。

課題はコスト低減だ。現状CNF1キログラムあたり数千円の製造コストがかかる。丸紅は商社の販売網を生かし、販売量を増やすことでコスト削減につなげる。

(燧芽実)

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