/

「理想の人材見つけた」 スカウト型で採用効率よく

就活変貌(3)

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える

「あなたが大学で研究しているC言語は当社の製品開発に生かせます。インターンに参加してみませんか」。半導体商社の東京エレクトロンデバイス人事部、大矢慶太は昨年12月、スカウト型と呼ばれる採用支援サービスを通じて、約30人の学生にこんなメッセージを送った。

同社は2022年卒採用からスカウトサービス「キミスカ」を導入。キミスカには約13万人の学生が研究領域などの自己PRを登録しており、企業はピンポイントで声をかけられる。

新型コロナウイルスの影響で、合同説明会など学生とリアルに会える機会が減った。「学生との接点が作れない」と大矢は言う。それでもデータサイエンティストやシステムエンジニアの候補となる学生がほしい。

メッセージに応えて10人の学生から「参加したい」と返信があった。インターンと選考を経て、1人が内定を受諾した。「探していた人材が見つかった」。学生の知名度が高くないBtoB企業にとって、30人声をかけた中から1人採用できれば、十分満足がいく結果だという。

スカウトサービスの成長は著しい。3月に東証マザーズに上場した最大手アイプラグの「オファーボックス」は登録学生数が5月に17万人を突破。就活生45万人の3割以上が使う計算だ。利用企業数も約8500社と半年で約1000社増えた。

ブラザー工業も22年卒採用からスカウトサービスを導入した。同社の採用はナビサイトからのエントリーが主流だが、人事部の矢島修平は「時代の流れに乗り遅れたくなかった」。

「学生と企業が対等な立場で向き合える」。台湾の大学に留学中の女子学生はこう話す。エン・ジャパンのスカウトサービス「アイルーツ」に登録。15社から声がかかり、大手IT(情報技術)関連企業に決めた。「自分のどこを評価されたかが分かりやすい」と満足げだ。

社員が知人をスカウトする「リファラル採用」も増えた。リクルートによると、22年卒採用では前年度比7.1ポイント増の23.9%の企業が導入を計画する。「信頼する人の所で働きたい」。京都大学大学院の女子学生は大学院の先輩に誘われ、大日本住友製薬への入社を決めた。

教授などから推薦を受けるやり方は以前からあった。リファラル採用は学生の応募を後押しするが、推薦のようなしがらみが少なく、透明性も高い。

企業と学生の新たな出会いの場が育ちつつある。

(敬称略)

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン