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商船三井、LNG燃料船90隻導入 7000億円投じ30年めど

(更新)
商船三井は50年に温暖化ガスの実質排出量ゼロを目標に掲げる

商船三井は18日に発表した「環境ビジョン2.1」で、液化天然ガス(LNG)を燃料とした船を2030年までに90隻を投入する計画を明らかにした。投資総額は7000億円程度となる見通し。橋本剛社長は会見で「この数カ月で(脱炭素へ向けて)本格的に世の中が動き始めた」と語った。世界全体の2~3%の二酸化炭素(CO2)を排出する海運業界で脱炭素の動きが活発になっている。

商船三井は50年に温暖化ガスの実質排出量ゼロを目標に掲げており、重油からの燃料転換を加速させる。橋本社長は「20年代はLNG燃料船が中心となる。30年以降は実質排出量ゼロへアンモニアや水素、合成メタンといった新燃料を活用していく」と話し、当面は重油と比べて運航時のCO2排出量を25%ほど削減できるLNGへのシフトを急ぐ方針を示した。同社はこれまで、LNG燃料のタグボートを運航しているが、貨物船は保有していない。

20年代中にはCO2を排出しないアンモニアや水素を燃料とした外航船の運航も開始する。35年までに次世代燃料船を110隻規模まで拡大し、温暖化ガスの排出率を19年比で45%削減したい考え。これまで主流だった重油燃料の船は35年におよそ半分まで減らす。

次世代燃料の利用には課題も残る。アンモニアは毒性が強い上、CO2の約300倍の温室効果があるとされる亜酸化窒素(N2O)などが発生する可能性がある。水素も保管にはマイナス260度という超低温にする必要がある。国際ルールの整備にも積極的に関わる。

海運業界の脱炭素へ向けた動きは21年度に入り加速している。日本郵船はこのほど、LNG燃料で動く自動車運搬船の保有台数を28年度までに計20隻まで拡大すると明らかにした。同社は35年度頃に計画していたアンモニア燃料船の導入時期も29年度まで前倒しする。

海運各社が脱炭素への動きを進める背景には、荷主から選ばれなくなるという危機感の高まりがある。足元では既に自動車メーカーを中心に輸送段階での排出削減への圧力は強まっている。

現時点で国内海運大手が単体で保有するLNG燃料の貨物船は日本郵船と川崎汽船が1隻ずつ運航する自動車船のみ。依然として重油燃料の船が大半だ。世界的な脱炭素の潮流を受け、海運業界の取り組みが本格化してきた。

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