ジープ、30年に欧州全新車をEV化 23年に初のEV発売

【パリ=北松円香、赤間建哉】欧州ステランティスは17日、傘下のブランド「ジープ」で初めての電気自動車(EV)を発売すると発表した。多目的スポーツ車(SUV)タイプとして2023年初めにも欧州で展開する。同ブランドのクリスティアン・ムニエ最高経営責任者(CEO)は「今回の新型車を皮切りに30年までに欧州で販売する新車全てをEVにする」と展望を語った。
同日開幕のパリ国際自動車ショーで、SUVタイプのEV「アベンジャー」を披露した。ジープは四輪駆動が特徴で航続距離は400キロメートルを見込む。ポーランド工場で生産し、欧州のほか日本や韓国などの市場にも展開する予定だ。ムニエCEOは「ジープの力強い走りが受け継がれたモデルだ」と自信を示した。
欧州ステランティスのカルロス・タバレスCEOは同日、パリショーを訪れたフランスのマクロン大統領とともに、フランス国内で生産するEVを早急に現在の6車種から12車種に増やすと表明した。傘下のプジョーブランドの「308」などのEVをフランス国内で生産するという。
ルノーの仏北部3工場を統括してEVの生産拠点に生まれ変わらせる「エレクトリシティー」に絡んで、マクロン氏は仏経済紙とのインタビューで「我々はルノーとともに(同プロジェクトを)強化している」と述べた。フランス政府は同工場に設備投資などで補助金を出している。政府としてもEVシフトを推進する姿勢を強調した。