売れ筋15.6型ノートPC6製品 DVD非搭載で軽量化も
2022年春のパソコン新潮流(3)
この春のパソコン商戦は、Windows 11時代の本格的な到来を告げるものになりそうだ。ほとんどのパソコンが11を搭載し、CPUやストレージ容量など基本性能を高めている。今こそパソコン買い替えの好機。製品選びのツボを解説する6回連載の3回目は、売れ筋の15.6型ノート6製品を紹介する。
「ニュースタンダードノート」が登場
自宅用のノートパソコンを購入する場合、まず検討するのが「15.6型ノート」だろう。光学ドライブを搭載するなど、必要とされる装備をひと通りそろえているため、「全部入りノート」とも呼ばれる。だが最近は、光学ドライブを搭載しない新機軸の「ニュースタンダードノート」が登場したことにより、選択肢がさらに増えた。まずは光学ドライブが必要か否かで、自分にとってどちらのタイプが適しているのかを見極める必要がある。
ここでは、15.6型ノートとして、全6製品をピックアップした。この中で、光学ドライブを搭載するのは、NECの「LAVIE N15」とDynabookの「X6/U」の2製品だけだ。
第4世代のRyzenを採用したNECの定番ノート

実売価格:14万9000円前後
●ディスプレー:15.6型●CPU:Ryzen 7 5700U●メモリー容量:8GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 2)Type-C、USB 3.2(Gen 1)×2、HDMI●無線LAN:Wi-Fi 6●生体認証:なし●画面解像度:1920×1080ドット●バッテリー駆動時間:7.5時間●サイズ:幅362.4×奥行き253.8×高さ22.7ミリ●重さ:2.2キロ●オフィス:Office Home & Business 2021
NECの定番ノートを継承する「LAVIE N15」シリーズ。基本性能の違いで全5モデルに分かれる。この「N1565/CA」は、その中でも中間のグレードに当たるモデル。CPUにはAMDの第4世代Ryzen 7を採用し、ストレージの容量も512GBと余裕がある。2021年秋冬モデルを継続販売するので、実売価格が下がっている。
子供や初心者向けの全部入りdynabook

実売価格:15万2000円前後
●ディスプレー:15.6型●CPU:Core i5-1155G7●メモリー容量:8GB●ストレージ:256GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB4、USB 3.2(Gen 1)×3、HDMI、SDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●生体認証:なし●画面解像度:1920×1080ドット●バッテリー駆動時間:7.5時間●サイズ:幅379×奥行き258×高さ23.7ミリ●重さ:2.4キロ●オフィス:Office Home & Business 2021
子供やパソコン初心者を主な対象にした「dynabook X」シリーズ。DVDスーパーマルチ搭載の全部入りノートだ。「X6」はCPUにCore i5-1155G7を採用した最上位機。4つのスピーカーを内蔵し、ウェブ会議の音声も聞き取りやすい。

富士通の「LIFEBOOK TH90/F3」と日本エイサーの「Aspire 3A315-58-WF58Y/SF」は光学ドライブを搭載しない。その分、薄型・軽量化が徹底されており、自宅内で持ち運んで作業するスタイルに向く。
軽快に使える富士通のニュースタンダード

実売価格:21万4000円
●ディスプレー:15.6型●CPU:Core i7-1165G7●メモリー容量:16GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:Thunderbolt 4×2、USB 3.2(Gen 1)、SDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●生体認証:顔●画面解像度:1920×1080ドット●バッテリー駆動時間:15.6時間●サイズ:幅360×奥行き235.5×高さ18.4ミリ●重さ:1.39キロ●オフィス:Office Home & Business 2021
家の中で持ち歩け、いつでもサッと開いて使えるというコンセプトの新機軸スタンダードノートが「TH」シリーズ。同社には「AH」という15.6型ノートの定番シリーズもあるが、このTHは光学ドライブやLAN端子などを省くことで薄型・軽量化を図った。実際に手に取ると、15.6型と思えないほど軽い。CPUは第11世代Core i7-1165G7で、16GBのメモリー容量を備えるなど十分な性能を持つ。


エイサーは512GB SSD採用の実用ノート

実売価格:14万5000円前後
●ディスプレー:15.6型●CPU:Core i5-1135G7●メモリー容量:8GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:USB 3.2(Gen 1)×2、USB 2.0、HDMI●無線LAN:Wi-Fi 5●生体認証:なし●画面解像度:1920×1080ドット●バッテリー駆動時間:9時間●サイズ:幅363.4×奥行き238.4×高さ19.9ミリ●重さ:1.7キロ●オフィス:Office Home & Business
実売14万円台半ばながら第11世代Core i5、8GBメモリー、512GB SSDのストレージを採用し、最新のOfficeである、Home & Business 2021もプリインストールする実用ノート。光学ドライブは非搭載となる。ディスプレーは、15.6型のノングレア液晶で、目の疲れなどを軽減するブルーライト対策機能もある。
高性能な15.6型を望むなら、ASUS JAPANの「Vivobook Pro 16X OLED」やエムエスアイ(MSI)の「Prestige 15」がお薦め。前者は有機ELディスプレーで画面サイズが16型と若干大きい。両者の共通点はグラフィックス専用のチップを搭載していることで、写真や動画の編集などパソコンに負荷がかかる作業にも強い。
ASUSは16型の有機ELディスプレーを採用

直販価格:21万9800円
●ディスプレー:有機EL・16型●CPU:Core i7-11370H●メモリー容量:16GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Home●主なインターフェース:Thunderbolt 4、USB 3.2(Gen 1)、USB 2.0×2、HDMI、マイクロSDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●生体認証:指紋●画面解像度:3840×2400ドット●バッテリー駆動時間:14.2時間●サイズ:幅360.5×奥行き259×高さ19.5ミリ●重さ:1.94キロ●オフィス:WPS Office 2 Standard Edition
鮮やかな発色と黒の表現に優れる有機ELを採用した高性能ノート。画面サイズは16型で、縦横比も最近増えている16対10を採用。解像度は3840×2400ドットと高精細だ。CPUはハイパフォーマンス版のCore i7-11370Hでメモリーは容量16GB。グラフィックスチップにはエヌビディアのGeForce RTX 3050を採用する。

MSIの高性能ノートはグラフィックスを強化

実売価格:20万円前後
●ディスプレー:15.6型●CPU:Core i7-1195G7●メモリー容量:32GB●ストレージ:512GB SSD(PCIe)●OS:Windows 11 Pro●主なインターフェース:Thunderbolt 4×2、USB 3.2(Gen 2)×2、HDMI、マイクロSDカードスロット●無線LAN:Wi-Fi 6●生体認証:指紋/顔●画面解像度:1920×1080ドット●バッテリー駆動時間:16時間●サイズ:幅356.8×奥行き233.7×高さ18.9ミリ●重さ:1.79キロ●オフィス:なし
主にデスクトップ用のマザーボードやグラフィックスボードなどを手がける、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)が展開するノートパソコン。上の「Prestige 15」は、パワフルなビジネスノートとしてCPUにCore i7-1195G7、グラフィックスチップにはエヌビディアのGeForce RTX 3050を採用した。
(ライター 原如宏)
[日経PC21 2022年4月号掲載記事を再構成]
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