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「デジタル版列島改造を」 半導体、官民キーパーソンが議論

半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン」で17日、官民のキーパーソン3人よる座談会が開かれた。ソニーセミコンダクタソリューションズ社長の清水照士氏、メモリー大手、ウエスタンデジタル日本法人社長の小池淳義氏、経済産業省の商務情報政策局で政策立案を手掛ける情報産業課長の西川和見氏が参加した。半導体戦略や官民協力の方向性などを議論した。

――日本はどのような半導体戦略を取るべきですか。

西川氏「日本では現役で84の半導体工場が動いており、人材、水や電気といったインフラもある。これを活用して、もう一度再生していく。まずは生産能力の立ち上げ。次に2020年代後半に社会に実装される微細化、3次元実装といった次世代技術の開発だ。30年代には量子コンピューティングなどのゲームチェンジャーになる技術を日本から発信していきたい」

小池氏「10年、20年先の長期スパンで考えないといけない。半導体を使って何をつくるのかというビジョンが必要だ。今のプロダクトの延長線だけで考えていてはだめだ。半導体自身がメーカーと手をとり将来の最終製品を考えるべきだ」

清水氏「ソニーの半導体には2つの転換点あった。1つはゲーム機の半導体。もう1つはスマートフォンの成長だ。半導体を造って売るだけではなく、ユーザーが次に何を考えているのか先回りをしながら、新しいテクノロジーを作るということを繰り返している」

西川氏「20世紀には日本の電機産業に製品のニーズと技術のシーズ(種)のよい循環があった。今は国境や業種を超えたキャッチボールが重要になっている」

――半導体産業における国際的な分業体制をどう見ていますか。

清水氏「半導体産業はグローバルのサプライチェーン(供給網)ができあがっている。水平分業という言葉が生まれたのは1990年代ごろだったが、今ではファブレス、ファウンダリー(製造受託企業)の会社が圧倒的な力を持っている」

小池氏「先端ロジックのビジネスは重要だが、日本は先端分野(の開発やビジネス)を回していく仕組みを作れなかった。サステナブルに発展していくには、この分野に取り組む必要がある。そこでは日米の連携が重要になるのではないか」

清水氏「日本には設備メーカーと材料メーカーがある。センサーでもそうだが次世代開発は材料などに依存する。一緒に開発できる環境は日本にそろっている」

小池氏「半導体のサプライチェーンが一国に閉じることはない。日本は強みを持つ装置や材料などで、要所を押さえることが重要になる」

――半導体業界に対するメッセージは。

小池氏「持続可能な経済のためにはエネルギー効率を高めなくてはならず、半導体無しでは実現できない。装置や素材の裾野、サプライチェーンを通じ日本発のグリーンテクノロジーを開発していきたい。経済とエネルギーセーブの両立は簡単でなく、イノベーションが必要だ。そのためには人材開発と、しっかりとした方向性が必要になる」

西川氏「デジタル版の列島改造論を作る時代だ。日本社会は超高齢化社会に突入する。人生100年時代に社会を作りかえていくためにはデジタルの力が必須だ。そしてデジタルとグリーンを両立するために新しいビジネスが生まれ、半導体がその核になっていく」

清水氏「ソニーは台湾積体電路製造(TSMC)との合弁事業に向けた国とのやり取りで非常によい経験をした。国が本気なら産業界もしっかりしなければならない。人をどう集め、育てるのか。そこから我々も入っていって、産官学が一体となってやって進めていけば日本の半導体はもっと盛り上がる」

西川氏「世界が平和で国が発展していれば政府にやることはない。ただ、世界の不確実性は増しており、日本も相対的にいって豊かになってはいない。政府の不作為は20~30年後のリスクとなるとの思いで取り組んでいる」

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