三菱商事社長に中西常務執行役員 脱炭素シフト加速
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三菱商事は17日、中西勝也常務執行役員(61)が2022年4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。垣内威彦社長(66)は代表権のある会長に就く。資源と非資源分野で収益基盤を固め、再生可能エネルギーへのシフトなど脱炭素に向けた新たな収益モデルの構築を進める。
中西氏は電力部門のトップで、電力インフラの輸出や発電所の運営事業に長年携わってきた。欧州での海底送電線の大型案件獲得で実績を積んだほか、オランダの電力会社エネコと洋上風力の共同開発を手掛けた。6月の株主総会後に代表取締役に就く。
三菱商事は20年に中部電力と共同でエネコを買収し、同社の知見を活用して欧州を中心に再エネ開発を加速させている。米アマゾン・ドット・コムなど大口顧客向けに再エネ電力の供給も決め、脱炭素関連で30年度までに2兆円を投資する方針だ。
垣内社長は資源エネルギーに偏らない事業構成の見直しを進め、自動車や小売り、食品など非資源分野の強化に取り組んだ。豊富な資金力を元に、三菱商事は今後、中西氏のもとで脱炭素に重点投資する。
中西 勝也氏(なかにし・かつや)1985年(昭60年)東大教養卒、三菱商事入社。16年執行役員、19年常務執行役員。大阪府出身。
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