LIXIL、1日でリフォームできる高断熱窓を発表

LIXILは断熱性能が高いリフォーム用の窓を発表した。サッシの一部に樹脂を使い、ガラスも3枚用いるなど熱を通しにくい構造を採用したのが特徴だ。取り付け工事は1日で済み、1枚ガラスの窓と比べて熱の流出を約80%削減できると説明している。
新製品の高断熱窓「リプラス」はすでに全国で販売している。サッシにはアルミと樹脂を組み合わせた複合型を採用し、内部には断熱材も入っている。3枚の窓ガラスの間にはガスを封入した。これまでリフォーム用の窓でガラスが2枚の商品は存在したが、3枚に増やすことで断熱性能をさらに高めた。
工事の際は古い窓サッシを残しながら、上から新しい窓を取り付ける。LIXIL以外の窓製品でも対応できる。窓を取り外す大がかりな工事が不要なために1日で取り付けが可能となり、消費者や取り付け工事会社の負担を最小限にできると見込む。
古い住宅では窓ガラスが1枚しかない場合も多いが、交換することで新築住宅並みの断熱性能を発揮できると説明している。左右のガラス戸をスライドして開閉する引き違い窓の場合、参考価格は税別25万2900円とした。

新築住宅向けの高断熱窓「TW」もあわせて発表した。サッシはアルミと樹脂の複合型で、上位モデルはガラスを3枚使って断熱性能を確保する。3枚ガラスの引き違い窓の参考価格は税別38万100円だ。2月に西日本、4月には東日本で順次発売する。
LIXILは窓の断熱性能に力を入れており、これまでも樹脂サッシを使った窓の新製品などを発売している。田村光宏サッシ・ドア事業部長は「今後も性能向上や商品の統廃合を進めていく」と話す。高性能窓の出荷比率は21年3月期の段階で74%だったが、26年3月期までに100%を達成する目標も掲げる。
窓の断熱対応を急ぐのは、脱炭素社会の実現に向けた商機が見込めるためだ。住宅の熱の58%は窓やドアなどの開口部から流出するため、省エネ住宅の実現には窓の高断熱化が重要な要素となる。
一方で、消費者が住宅にかける資金のうち窓やドアの優先度は低い。快適さや電気代の節約効果など、高断熱窓の利点を消費者や住宅メーカーにどこまで説明できるかが普及のカギを握っている。
(森匠太郎)
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