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馬ふんで肥料を良質に 茨城大、生ごみの残りかすに混入

茨城大学の小松崎将一教授らは生ごみを発酵させてメタンガスを得た残りかすと馬ふんを混ぜ、良質な肥料を作る手法を開発した。茨城県美浦村にある日本中央競馬会(JRA)の施設から大量に出る馬ふんを有効活用する。残りかすだけから作る肥料より、小松菜がよく育った。今後は肥料としての利用拡大に向け、農機具メーカーなどと協力して実証実験をする予定だ。

同県土浦市は食品廃棄物のリサイクルの一環で、メタン発酵によるバイオガス生産と、その残りかすの堆肥化に取り組んでいる。小松崎教授によると、発酵残渣(ざんさ)は栄養成分にやや偏りがあり、生育を妨げる成分も含まれているという。肥料として販売を拡大するには、品質を高める必要があった。

JRAのトレーニングセンターで飼育する馬は牧草を食べ、ふんにはカリウムが多く含まれている。一方、残りかすには食品中のたんぱく質由来の窒素が多い。研究チームは、これらを組み合わせれば、バランスのよい肥料になると考えた。地元企業の日立セメント(同県日立市)などと組み、研究を進めた。

実験では残りかすに鶏、牛、馬のふんに熱水を加え抽出した液をそれぞれ混ぜた。この液で小松菜の発芽がどう変わるかを調べた。根の伸び具合を水だけの栽培と比べると、残りかす単独では3%の向上だったのに対し、鶏ふんを4割混ぜた場合は7%向上した。同様に牛ふん混入では30%、馬ふんでは19%高まった。

栽培用ポットで小松菜を育てる実験もした。肥料をポット1個あたり100グラム混ぜる条件で、残りかすだけのときや、残りかすと鶏ふんの堆肥を半分ずつ入れたときは、ともに収穫量が増えなかった。

これに対し、残りかすと牛ふんの堆肥を半分ずつ入れたときや、残りかすと馬ふんの堆肥が半分ずつのときは収穫量が増えた。残りかすだけのときと比べ、いずれも約6倍になった。

馬ふん堆肥を半分まぜたものの栄養成分を分析した。窒素とリン酸、カリウムがほぼ同量で、残りかすだけの場合よりバランスがとれていた。

栄養分の一つである窒素を植物がどれだけ利用したかも計算した。馬ふんを混ぜたものでは残りかすだけの場合の12倍、牛ふんでも11倍に高まった。鶏ふんでは1.7倍にとどまった。また、残りかすに馬ふんの堆肥と混ぜると、においも緩和されるという。

残りかすを再び発酵させれば肥料としての品質が高まるとの報告もあるが、コスト面で課題が残る。今回の手法は「簡便で、効果は市販の肥料と遜色ない」と小松崎教授は強調する。「地域資源を活用した有機物循環を推進していきたい」と話す。

(藤井寛子)

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