松井愛莉 台本サイズにぴったりの特注ブックカバー

ファッション誌『nicola』『Ray』『GINGER』などの専属モデルやレギュラーモデルを歴任、女優としても活躍してきた松井愛莉さん。主演、ヒロイン役が増加中の24歳のお気に入りは、オーダーメードの台本カバーだった。
かわいくて使いやすい、デニム素材の台本カバー
「この台本カバーは、5〜6年前にマネージャーさんからいただいたものです。台本って、B5より少し小さい独特のサイズなので、普通のブックカバーでは大きさが合わないんですよ。だから簡単に買うことはできなくて、かわいい台本カバーを使っている人がいると、うらやましかった。憧れていたので、プレゼントしてもらえてありがたかったです。

しかもこれは、特注で、名前入り。職人さんが私をイメージして作ってくださったそうで、素材はデニム、柄として手の形が刺しゅうされています。デザインがカワイイし、手作りしていただいた特別感もあるので、見るたびにテンションが上がりますね。その上、使い心地も良い。レザーだと硬くてページを開きにくかったりするんですけど、デニムだから軟らかいんです。栞(しおり)が付いているところもお気に入りです」
「台本をもらうと、すぐにこのカバーを付ける」という松井さん。女優とモデルを兼業してきた彼女の、モードチェンジの助けにもなっているようだ。
「そういう役割も、少なからずあると思います。モデルは、仕事を始めた当初から10年以上やっているので、もう気負わずにできる感じがあります。一方で女優のお仕事は、常に挑戦といいますか。毎回毎回悩みますし、いまだに落ち込んで、ウジウジしたりもします。
お仕事で落ち込んだときは、トコトン落ち込んで切り替えますね。親に軽く相談したり、いろんな人とお話をしたりして、元気をもらって次に進みます。そういうときにも、この台本カバーを見るだけで気分が上がりますし、これがないと、もうソワソワしちゃうというか。ないと、ちょっとテンションが下がるかもしれないです。本当にずっと使っているので少し色落ちしましたけど、それも味。これからも、大事にしていきたいです」


独特すぎる衣装にインスパイアされて役作り
公開中の出演映画は、原田マハさんの小説を原作とした『総理の夫』。政治家である妻・凛子(中谷美紀)が日本初の女性総理大臣に選ばれ、突如「ファーストジェントルマン」となった鳥類学者・相馬日和(田中圭)の奮闘を描いたヒューマンコメディーだ。松井さんは、日和が働く鳥類研究所の同僚・伊藤るい役を演じている。
「最初に台本を読んだとき、るいはそこまで個性の強くない女性だと思いました。でも衣装合わせに行ったら、すごく派手な鳥柄のシャツが用意されていて、『えっ、こういう感じ!?』って(笑)。独特すぎて、一瞬、戸惑いましたね。これは普通に演じたら面白くないなと思って、『鳥オタクとしてキャラ付けしていいですか?』と監督に聞いたら、『そのほうがいいかもね』と。だから、背中を丸め、ガニマタにしました。恥ずかしいと思っていたら何もできないと思ったので、もう、思い切りやりました。そうしたら監督もノリノリになってきて、私も楽しかったです。

大事だと思ったのは、るいが日和に近づくシーン。普段着ない大胆な衣装だったのでソワソワしましたけど、るいはるいなりにがんばって、一生懸命セクシーなものを選んだんだろうなって。そういう思いを感じていただけたらうれしいです。
完成した映画を見たときは、感動しました。『もしも女性総理が誕生したら』という物語が面白いし、田中さんと中谷さんが演じる夫婦の関係性が素晴らしくいい。見終わった後、一歩踏み出す勇気をもらえるような映画だと思うので、笑って、泣いて、元気を出してもらえたらと思います」
取材は2021年9月上旬、緊急事態宣言下にある東京で行われた。もしも松井さんが総理大臣になったら、日本をどう変えたいのだろうか。また、るいは鳥に夢中だが、松井さんが今ハマっているものとは?
「自分が総理になったら? そうですね〜、ロックダウンします(笑)。早く新型コロナウイルス禍を収束させたいので、家から出ないように呼びかけたいです。
私が夢中になっているのは、サウナです。最近通い始めて、行けるときは週1で行ってますね。暑い中で我慢して、水風呂にバシャッと入って、外気浴してぼけーっとする。その時間が幸せですし、気持ち良くて、整います。最近では水風呂にも慣れてきて、15度、13度と水温を下げても楽しめるようになったんですけど、9度の水風呂に入ったときは、ヒリヒリするくらい寒かったです(笑)」


大画面テレビと冷蔵庫で、おうち時間を充実
20年は『癒しのこころみ〜自分を好きになる方法〜』で映画初主演を飾り、21年は主演ドラマ『エロい彼氏が私を魅(まど)わす』がFODで配信されるなど、勢いに乗る松井さん。プライベートではコロナ禍の影響で在宅時間が増え、「身の回りを整えるようになった」という。
「コロナ禍を機に料理するようになって、冷蔵庫を買いました。以前は一人暮らし用の小さい冷蔵庫を使っていたんですけど、おばあちゃんが送ってくれるたくさんの食材が入らなくて……。思い切って大きい冷蔵庫を買って、キッチン用品も徐々に増やしています。
あと、最近買ったのは、テレビ。テレビがあったら、もっと有意義に過ごせるんじゃないかと思って、大きい65型を買いました。映像は4K、音もいいので、部屋を暗くして見ると、映画館みたいになります。時間があるときは、1日中Netflixを見ています。最近、一気に見たのは、『ペーパー・ハウス』のシーズン5。『教授』と呼ばれる男が、一度罪を犯した人たちを集めて銀行強盗を仕掛けるんですけど、警察が絡んでも、なぜか強盗の方を応援してしまうという……面白いのでオススメです」
松井さんの今、欲しいものは「洋服」。「私はストレスがたまると物欲が出てくるんです」と笑う。
「今はすごく物欲がたまっているので、ヒマさえあればケータイでネットショッピングしています。ただ、私自身ケチなので(笑)、そんなにお金を使えないんですよ。だから、ネットで洋服を探すだけで満足したり、安いものを買って満足してしまったり。シーズン前に、ちゃんと秋冬の洋服が買いたいです」


『総理の夫』
大財閥の御曹司で、お人よしの鳥類学者・相馬日和は、少数政党の党首を務める妻・凛子と幸せな日々を送っていた。しかし日和が出張を終えて東京に戻ると、凛子は日本初の女性総理大臣に。「ファーストジェントルマン」として担ぎ上げられた日和は、激動の日々に巻き込まれていく…。監督・河合勇人 原作・原田マハ『総理の夫 First Gentleman』(実業之日本社文庫) 脚本・松田沙也、杉原憲明 出演・田中圭、中谷美紀、貫地谷しほり、工藤阿須加、松井愛莉、木下ほうか、国広富之、寺田農、片岡愛之助、嶋田久作、余貴美子、岸部一徳 全国ロードショー中
(文 泊貴洋、写真 藤本和史)
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