お盆の国内線旅客、前年比7割増 JAL・ANAで19年の8割

国内航空各社が17日に発表したお盆期間(8月6~16日)の国内線旅客数は、前年同期比74%増の331万4286人だった。行動制限がないお盆となり、新型コロナウイルスの感染が急拡大する中でも、帰省者や観光客が増加。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の国内線利用者の合計はコロナ前の2019年比で8割の水準まで回復した。
ANAの国内線旅客数は前年比78%増の127万1864人、JALは同2.1倍の110万5319人だった。19年比ではANAが26%減、JALが14%減だった。新型コロナの感染再拡大や台風8号の上陸もあったが、7月29日に発表した予約者数から両社とも1割近く増え「大変好調に推移した」(JAL)という。14日の1日あたり旅客数は両社ともコロナ下で最多となった。
ANAの井上慎一社長は「ウィズコロナの新しい旅のスタイルが定着してきた」とコメントした。沖縄方面の旅客数はJALが19年比13%増とコロナ前を上回り、ANAも18%減と回復が比較的早かった。ANAやJALよりも低運賃で観光や帰省の需要に強いソラシドエア(宮崎市)の旅客数は19年比1%減、スカイマークは同4%減まで戻った。
一方、政府の厳しい水際対策が続く国際線の需要は低迷が続いた。ANAの国際線旅客数は前年同期比4.4倍の12万8649人、JALは4.6倍の12万9085人。ハワイ旅行などの需要が回復し前年からは大幅に増えたが、19年比ではともに4割前後にとどまった。