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淡水でも生きられるエイの仕組み解明 東京大学など

東京大学大気海洋研究所や国立遺伝学研究所などの研究チームは、普段は海に住むアカエイが河川などの淡水でも生きられる仕組みを遺伝子レベルで解明した。海水と淡水という異なる環境下で体液の成分が変化するのを、腎臓の働きで防いでいた。「エイの希少種の保全などに役立つ成果だ」(東大の高木亙助教)という。

エイはほとんどの種が海水に生息するが、淡水でも生きていける種もいる。海では血液などの体液に含まれる塩分や尿素の濃度を高い状態に保って浸透圧を高めることで、塩分が濃い海で脱水しないようにしている。一方、塩分濃度が低い淡水に行くと、そのままでは体の内部と外部の浸透圧の違いから大量の水が体内に入ってきて、生きていけなくなる。

どうやって淡水でも生きられるのか詳しい仕組みが分かっていなかった。研究チームは河川への遡上が確認されているアカエイを淡水環境に慣らしながら、腎臓の組織や尿の成分を調べた。その結果、淡水環境では体に入ってきた大量の水分を尿として排出し、尿に溶け出したナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンを再吸収する機能が高まっていた。再吸収に役立つたんぱく質を作る遺伝子が腎臓の特定部位で多く発現していた。こうしたイオンを尿から再吸収することで、体液の組成を保ちながら淡水環境に適応していた。

エイと同じ軟骨魚類で、淡水でも生きられるサメの一種であるオオメジロザメに関しても研究チームは過去に仕組みを明らかにしている。オオメジロザメはアカエイとは異なる遺伝子が腎臓の別の部位で発現していた。

高木助教は「サメとエイは違う進化の過程で淡水環境への適応能力を得ていったと考えられる」と話す。今後は淡水でも生きられるほかのエイについても調べていくという。淡水でも生きていけることが知られ、絶滅が危惧されているノコギリエイなどの保全に役立てたい考えだ。

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