光超えの速さ5Gホームルーター 工事不要で月5000円
工事不要で光回線を超える速さ──こんな夢物語が現実になりつつある。NTTドコモとKDDI(au)は8月、据え置き型の高速通信規格「5G」対応ルーターを相次ぎ発売(図1)。併せて対応プランを用意した。

2社が発売したのは、自宅内で据え置きで使う、いわゆる「ホームルーター」。5Gまたは4Gの携帯電話回線でインターネットに接続するので、光回線のような配線工事は一切不要だ。パソコンやスマホからWi-Fiなどでこのルーターに接続することで、即座にネットが利用可能になる(図2)。

光回線超えの速さで家庭ネット回線の置き換えも?
実効速度は電波環境や混雑度に左右されるが、5Gの理論上の速度は一般的な光回線を大きく上回る。それでいて料金は月5000円前後と、光回線とほぼ同水準なのは魅力だ(図3)。

一方で落とし穴もある。第一に5Gの通信エリアの狭さ(図4)。5Gの電波は4Gに比べて届きにくいため、エリアは拡大の途上だ。また、auでは直近3日間のデータ通信量が15GB(ギガバイト、ギガは10億)までという制限もある(ドコモの目安は非公表)。これでは動画配信サービスのヘビーユーザーには物足りないかもしれない。下りに比べ、上りの通信速度が大幅に遅い点も、使い方によってはネックになる。

とはいえ、電波環境が良く、下りを主に使い、高画質な動画を連日見るようなことがなければ、有力な選択肢となるだろう。
なお、ソフトバンクも9月14日、同社のホームルーター「Softbank Air」の新機種として、5Gに対応する「Airターミナル5」を発表した。端末代は3年間の利用で実質無料となる。対象となるプラン「Air 4G/5G共通プラン」は月額5368円。
(ライター 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2021年11月号掲載記事を再構成]
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