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武田薬品、デング熱ワクチン 10年内に年1億回分生産へ

武田薬品工業は16日、インドネシアやブラジルなどで承認を得たデング熱ワクチン「キューデンガ」に関する投資家向けの説明会を開き、今後10年以内に年1億回分を生産する体制を整える方針を明らかにした。医薬品の製造受託事業者を活用するほか、自社生産も強化する。ピーク時の売上高は16億ドル(約2100億円)から20億ドル(約2600億円)を見込む。

同社のグローバルポートフォリオディビジョン・プレジデントのラモナ・セケイラ氏は説明会で「想定よりも早期にキューデンガの承認を取得できた。旅行者向けなどデング熱が流行していない国でも対策として活用できる」と述べた。これまで年5000万回分の製造能力を想定していたが、インドなどでパートナーシップ先と連携し、生産能力を増やす。

セケイラ氏はキューデンガについて「国や市場ごとに柔軟に価格を設定する」と話す。例えば旅行者向けの接種を目指すドイツでは1回あたり115ドル(約1万5000円)。一方、インドネシアではワクチン接種の価格は1回あたり40ドル(約5300円)とし、感染が深刻な流行国で公的機関などと連携する場合には平均価格より低い水準に設定することも検討する。

デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、毎年3億9000万人が感染し約2万〜2万5000人が死亡するとされる。発熱や発疹、頭痛などの症状のほか、重症化すると出血といった症状も見られ、ワクチンによる対策や早期の治療が欠かせない。

キューデンガは複数のデングウイルスに有効で、感染歴に関する検査を必要としないといった特徴がある。デング熱ワクチンは重症化を防ぐ効果が高いとされる。競合製品は感染経験がある人のみにしか使えず、患者数の多いとされる9歳未満の小児には使えないといった課題があった。

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