大林組とパナソニックコネクト、建設現場で顔認証実験

大林組とパナソニックコネクトは13日、建設作業員へのサービス提供のために顔認証技術を組み込んだ統合IDプラットフォームの構築に着手し実証実験を実施したと発表した。この統合IDプラットフォームによって、カードやデバイスがなくても作業員が本人であると認証できるようにする。
2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場になる、大阪市の夢洲(ゆめしま)における建設工事を想定して、実証実験を実施した。建設作業員向けのシャトルバスの乗降と、建設現場の入退場という2つの場面で顔認証を検証した。
これらのシーンで検証したのは、建設工事現場の近隣の駅から作業員向けに通勤用のシャトルバスを運行したり、作業員が誤って近隣の別の現場へ入場することなどを防いだりするためだ。
実証実験では、屋内や屋外、時間帯といった環境や、マスクやヘルメットを着用しているかといった作業員の状況を変化させながら、繰り返し実施したが、誤って認証することはなかったという。作業員へのヒアリング調査でも、認証の技術面などについて8割以上が満足と回答した。
この結果を踏まえて2社は今後、顔認証を活用したサービスの具体化を進めていく。シャトルバスの乗降確認、入退場ゲートにおけるセキュリティーチェック、建設現場内での弁当や飲料の購入決済、レンタル資機材の受け取り確認など、様々なサービスを展開していく予定だ。
(日経クロステック/日経コンピュータ 西村崇)
[日経クロステック 2022年5月13日の記事を再構成]
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