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キリン、中国飲料の合弁解消発表 中国系ファンドへ売却

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キリンホールディングス(HD)は16日、中国の飲料大手「華潤集団」と現地で手がける清涼飲料の合弁事業を解消すると発表した。合弁会社の持ち分すべてを10億ドル(約1150億円)で中国系ファンドのプラトーに売却する。キリンHDはミャンマーでのビール事業からも撤退する。国内市場の頭打ちから新興国市場に打って出たが、想定ほどにはブランド浸透の効果が出ず、いずれも撤退を決めた。

合弁を解消する「華潤麒麟飲料」は2011年、キリンHDが4割、華潤が6割を出資して設立した。キリンHDは単独で1990年代から上海や北京などで飲料の販売を手がけてきたが、販路拡大を狙い、華潤との合弁会社設立に至った。ただ合弁会社ではキリンHDの紅茶飲料「午後の紅茶」などを製造・販売したものの、華潤が手がけるミネラルウオーターの売り上げが中心で、キリンHDの商品群のブランド浸透にはつながらなかったようだ。

キリンHDの出資額は330億円。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要を追い風に、合弁会社の売上高が伸びていることから売り時と判断した。キリンHDは合弁解消で22年12月期決算に売却益約390億円を計上する見込み。連結業績に与える影響は「精査中」としている。

キリンHDは中国での清涼飲料製造から撤退することになるが、全額出資子会社などを通じ、現地でビールの製造は続ける。知財の使用などで今後も華潤との業務提携は継続する予定だ。

ただ、国内のビール系飲料の市場はピークの1994年から4割減っている。新興国に活路を見いだそうとしたが、欧米大手に押され、国内ビール大手は改めて戦略の見直しを迫られている。キリンHDは今後、先進国を中心に収益性の高いクラフトビールなどに軸足を移す考えだ。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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